第4回 ただひたすらに石を穿つ 後編
愛娘が小学3年生になったころ、青木通子さんは油絵を習い始めた。子供に手がかからなくなったこともあるが、何よりも、自分の意識を家の外へ向けたいと思ったからだ。
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愛娘が小学3年生になったころ、青木通子さんは油絵を習い始めた。子供に手がかからなくなったこともあるが、何よりも、自分の意識を家の外へ向けたいと思ったからだ。
リマを拠点に活動する石彫家、青木通子さん。2003年から幾度もの個展を成功させ、ペルー全国銀のコンクール(2006年)入賞を皮きりに、ペルー北米文化協会主催の全国彫刻コンクール(2009年)では準優勝、ペルー経済研究院彫 …
「リマはねぇ、気候がいいでしょ。それに当時は物価も安かったしね。だからここに住むことにしたんですよ」とにこやかに語ってくれたのは、松村健さん(85歳)。遠洋マグロ漁船の通信士として働いていた健さんは、年に2~3回訪れるリ …
昨年は、ペルーで活躍する日本人に会う機会が幾度となくあった。マリネラ・ノルテーニャ(※)の世界で知らぬ者はいないほど有名なダンサー。独学で極めた彫刻で、いくつもの賞を獲得している芸術家。単身リマへとやって来て、当地の日系 …
世界中が大戦前の不穏な空気に包まれていた1930年代末。山梨県に暮らしていた奥山元女(モトメ)さんは、両親から一枚の写真を見せられ突然こう言われた。「この人と結婚しなさい」