Yuca Frita con Ají de Pollería ユカ・フリータ&アヒ・デ・ポジェリア

ペルー料理に欠かせないSalsa de Ají(サルサ・デ・アヒ=唐辛子ベースのソース)は、料理の美味しさをより引き立ててくれる頼もしい相棒。特に今回ご紹介するAjí de Pollería(アヒ・デ・ポジェリア)は、ペルーの国民食であるポヨ・ア・ラ・ブラサを味わううえで欠かせないサルサです。

お気に入りのポジェリアについて語る時、食いしん坊のペルー人たちはサルサ・デ・アヒについても己のこだわりを発揮します。「私はあの店のアヒが一番好き」「ポヨはA店がうまいけど、アヒはB店のほうが好みだなぁ」なんて言う声もちらほら。基本的にはどこも同じような味ですが、それぞれ微妙に違うんですよね。

そういえば日本に本帰国した友人もパルドス・チキンというポジェリアのアヒが大好きで、誰かが一時帰国するたびに「パルドスのサルサ、買ってきて~」とリクエストしていたっけ。懐かしいなぁ。

またアヒ・デ・ポジェリアのお供として、ユカ・フリータをご用意しました。ペスカード・ア・ロ・マチョハレア・ミクスタの付け合わせなど、すでに何度か登場しているユカ・フリータ。あまりに身近な付け合わせなのでレシピを紹介するのをつい失念しておりました(苦笑)。

¡新食材! 】Yuca(ユカ)について

日本では “キャッサバ” の名で知られるユカ。トウダイグサ科の多年生植物で、タピオカの原料であることから日本では東南アジアのイメージが強いと思いますが、その原産地はブラジル北西部やメキシコ西部を始めとする中南米です。ペルーには14のyucas dulces(甘味種)と 9のyucas bravas(苦味種)のあわせて23種類もの品種があるのだそう。主な生産地はロレト州やアマソナス州、またフニン州のセルバアルタで、痩せて乾いた土地でも簡単に栽培できることから、米や麦、トウモロコシに次ぐ貴重なエネルギー源となっています。

ユカには有毒なシアン化水素が含まれており、生食をすると牛でも死ぬほどだとか!しかし茹でるなり、天日干しにするなりして毒抜きさえすれば問題ありません。柔らかく茹でたユカはモチモチしていて腹持ちもよく、ほかの芋類とはまた違った魅力があります。そのモチモチ感を活かした「ユカ餅」は、故郷の味を再現しようと試行錯誤を繰り返したニッケイスイーツの傑作です。

弾力のあるモチモチ感と、歯に染みるような甘さが癖になるユカ餅

日本では沖縄や奄美大島など限られた土地でしか栽培されていないようですが、冷凍加工品ならネットでも入手可能。機会があればぜひ一度食べてみてください。

アヒ・デ・ポジェリア

【材料】

  • アヒ・アマリージョ 3本
  • ニンニク 小1/2片
  • マスタード 小1
  • ワカタイの葉 2~3枚
  • 牛乳 50ml
  • 油 大2~3
  • 塩、コショウ、オレガノ 少々
  • オプション:マヨネーズ

【作り方】

1、アヒ・アマリージョの種と胎座(筋)を取り、大まかにカットする。茹でるかレンジで加熱し、粗熱が取れたら皮を剥く。

2、ミキサーに1のアヒ・アマリージョとニンニク、マスタード、ワカタイ、牛乳、油大2、塩コショウを入れ、攪拌する。塩で味を調え、油を追加しながら好みの濃度にしあげよう。アヒの辛味を抑えたい場合やまろやかさを出したい場合は、マヨネーズを少し加えてもいい。

ユカ・フリータ

【材料】ユカ芋1本分

  • ユカ芋 1本
  • 油 適量
  • 塩 適量

【作り方】

1、皮付きのユカを5cmほどの幅に切り分け、皮をむいていく。ユカに包丁をあて2~3mmほど切り込みを入れて皮を引きはがすように引っ張ると、繊維に沿って自然に剝がれるので分かりやすい(大根の皮を厚くむく要領)。皮を剥いたユカは茹でやすいよう2~4等分にカットし、水でよく洗う。

2、水を入れた鍋に1のユカと塩少々を加え、15~20分ほど茹でる。竹串がすっと通るくらい柔らかくなったらザルにあげておく。中心部にある太い繊維は固くて食べられないので、茹で上がったら取り除いておこう。茹でたユカは冷凍保存可能。日持ちもするし、いつでも食べられて便利。

3、茹でたユカの水分をよく拭きとってスティック状にカットし、油でからりと上げる。軽く塩を振ってできあがり。

【Keikoからひとこと】

アヒ・デ・ポジェリアについて:今回は少量なので卵を加えず、好みで市販のマヨネーズを後から加えるレシピにしました。倍量で作る場合は、卵黄とビネガーと油でマヨネーズを作り、そこにアヒ・アマリージョやニンニク、ワカタイなどを加えてもいいでしょう。要はアヒ風味のマヨネーズ、ですね。私はもったりと重たいテクスチャーより軽めのサルサが好きですが、そこは好みでどうぞ。

ただし油や牛乳(場合によっては卵も)が入っているため、あまり日持ちしません。2~3日で使い切れるくらいの量で調整してください。

ユカ・フリータについて:ユカは意外と足がはやいので、普段から買ったその日に皮を剥いてすべて茹で、冷凍するようにしています。ユカは茹でたてより、一度冷凍したもののほうがからりと揚がるので、ユカ・フリータを作る場合は一石二鳥。しかもフライド・ポテトは油の温度調整に気を使いますが、ユカはよほどのことがない限りべちゃっとなりません。揚げた後のカリッとした食感もフライド・ポテトより持続するので、イベントなんかの一品にもオススメ。アヒ・デ・ポジェリアのほか、ワンカイーナソースなんかもいいですね。お好きなサルサと一緒にお召し上がりください。