アンデスを代表する魚、Trucha arcoíris(トゥルーチャ・アルコイリス=ニジマス)。このニジマスをソテーしたTrucha Frita(トゥルーチャ・フリータ)はプーノの名物料理のひとつで、ティティカカ湖ツアーのランチには必ずといっていいほど登場します。
【¡新食材! 】Trucha arcoíris(トゥルーチャ・アルコイリス=ニジマス)について
太平洋東岸とカムチャツカ半島が原産というニジマスがペルーに持ち込まれたのは、1920年代のこと。鉱山企業セロ・デ・パスコ社で働いていたペルー人とアメリカ人医師が、ラ・オロヤ事業所近辺の川や湖で釣りを楽しむため、アメリカから受精卵を取り寄せようとしたのが始まりでした。
1回目は受精卵が全滅してしまいましたが、2回目の輸入で孵化に成功。人工池で10cm程度の大きさにまで育てられ放流された稚魚は、ペルーの水質や水温によく適応し、どんどん増えていきました。現在は川や湖での自然繁殖のほか、アンデス各地の養殖場で生産されています。
作り方はいたってシンプル。頭や背骨を取ってムニエル風の仕上がりにしても、尾頭付きでちょっとワイルドにしてもいいですね。そうそう、レモンを絞って食べると味がぐっと引き締まるのでお忘れなく!
【材料】1人(1匹)分
- トゥルーチャ 1匹
- すりおろしニンニク、塩コショウ、クミン、小麦粉 適量
- 付け合わせ:レモン、サルサ・クリオージャ、サラダ、茹でてソテーしたジャガイモ、ご飯など
【作り方】
1、トゥルーチャをよく洗い、表面のぬめりを取る。包丁を使ってこそぎ落とせば、ウロコも取れて一石二鳥。背骨や腹骨が気になる人はそれも取る。
2、キッチンペーパーでトゥルーチャの水分をよく拭きとり、すりおろしニンニク、塩コショウ、クミンを両面にまぶす。
3、トゥルーチャに小麦粉を薄くまぶしつけ、多めの油で焼く。トゥルーチャは身が柔らかいので、ひっくり返す時は十分気を付けて。身を上にして盛り付けるのがペルー流なので、ひっくり返すのが一度で済むよう、先に身のほうから焼くといい。
4、焼きあがったら皿に盛り付け、サラダやご飯、ジャガイモなどを添え、レモンを絞って頂こう。
【Keikoからひとこと】
ペルーはここ10年ほどサーモンが人気。なのにどんどん値段が上がって、いつのまにやら高級食材になってしまいました。そんなサーモンの代替品とでもいいましょうか、最近は一瞬サーモンと見間違うほど、肉厚で色鮮やかなトゥルーチャ(trucha extra=極上マスなんて名前で売られています)が売られています。でもお値段もサーモン並み!だったらサーモンを買っちゃいますよね(笑)
アンデスの人々にとっての貴重な蛋白源であり、経済的恩恵も大きいトゥルーチャですが、食欲・繁殖力ともに旺盛なことから、在来種の生息に悪影響を及ぼしています。ティティカカ湖ではトゥルーチャやアルゼンチンから入ってきたペヘレイなどの外来種のため、カラチやイスピなどの在来種が激減しており、問題視されています。
養殖場を造ったり維持管理するだけの資金がない集落の場合、天然のものに頼らざるを得ないでしょう。経済的メリットを取るか在来種の保護を優先するか、難しい問題です。