ユーチューバーなど個人番号紐付けで課税へ

今年の7月1日以降、ユーチューバーなどのインフルエンサーを始め、ペルーでデジタルプラットフォームやSNSを利用したサービスの提供や活動の宣伝を行おうとするすべての個人および法人は、そのコンテンツ上に税籍登録番号(RUC)を明記する義務が生じる。

立法政令第1524号では、デジタルECプラットフォーム、SNS、ウェブサイト、広告メール、モバイルアプリケーションを始め、それらを通じて商品やサービスが提供されるすべての媒体において、掲載者の氏名または名称、あるいは法人名を併せて記載しなければならないと定めている。

ベガ法律事務所のハイメエスクリベンスはこの法令について「(すでに自社サイトに法人名などが明記されている)大企業にとっては目新しいことではありませんが、インスタグラムやFacebook、Tik Tokなどネットワーク上でサービスや商品を提供している個人にとっては、新たな義務が生じることになります」と解説している。

さらに、該当者は国家税務監督庁(SUNAT)のオフィスへ出向くかまたは同庁のウェブサイトを通じてRUC(通常は国民身分登録証/DNIの番号にランダムな数字を加えたもの)を申請する必要があり、そうでない場合はSUNATが採番するRUCが割り当てられると説明した。

「今回の措置は、より多くの納税者の特定を可能にするもので、実質的な意味から言うと新たな義務ではありません。(例えば)インスタグラムであなたを見かけたら、あなたのDNIに登録されている現住所を使用して、(SUNATが)職権でRUCを採番します。このようにして、あなたはすでにこのシステムに登録されたことになります」

また、同政令には「SUNATは、RUCの既登録者および職権による被採番者につき、商業的活動の実施が発覚した場合は、これを所得税法の適用対象に含める権限を有すものとする」と記されている。

違反に対する罰金

同政令に違反した場合、SUNATは今年7月1日以降、零細小企業税制体系を含む第3カテゴリー所得(法人所得)の納税者に対し、現行UITの30%(1485ソレス≒約5万7900円)を上限とする罰金を科すことができるようになる。

一方、個人および特別所得税体系の対象者などによる規定の不履行については、現行UITの15%を上限とする罰金が科される予定。

さらに、同政令では、SUNATによる本規定の適用が地域、地区または経済セクターにおける大多数の納税者に影響を及ぼすと予想される場合、SUNATは、当該規定に関する事前の広報に加え、一般所得税体系、ならびに簡易所得税体系、特別所得税体系または零細小企業税制体系の例外的適用の可能性および各体系の運用期限に関するキャンペーンを実施しなければならないと明記されている。

(ソース: Gestión 21/06/23