ペルーのモバイルデータ通信料金(1MB当たり平均)は、2015年第3四半期(0.035ソル/約1.193円)から2022年度第3四半期(0.002ソル/約0.068円)にかけ、95%減少した。電気通信民間投資監督庁(OSIPTEL)が8日、発表した。
同庁主催のフォーラム「ペルーにおける遠距離通信セクターの方向性と未来」で、ラファエル・ムエンテ長官は、「データ通信料金の大幅な低下は、ペルー通信市場の自由競争と、その競争メカニズムを推進してきた優れた規制によるものと言えます」と強調した。
顧客のMNPを阻止するため、数年前までは通信企業が次々と障壁を設けていたが、これを規制することで市場はより活性化されたと長官は振り返る。
「従来の携帯番号を失ったり、他社の端末でSIMが使えなくなったりするよう、各モバイルキャリアが携帯電話をブロック(※日本のSIMロックに相当)していたため、以前はユーザーによる通信キャリアの乗り換えが進みませんでした。当庁がMNP(携帯電話番号ポータビリティ)を義務付け、モバイル機器のブロックを解除したことで、市場が開放されました」
長官はまた、携帯端末によるインターネットへのアクセスが昨年末時点で2500万回線を超えたとし、これは固定回線を含めたネット接続の77.8%に相当すると報告。
「2015年、モバイルによるインターネットの利用は1690万回線(56.4%)でしたが、今では状況が改善されました」
モバイル通信市場
同様に、1分当たりの音声通話料金(平均)についても、2015年第3四半期(0.312ソル/約10.63円)から2022年第3四半期(0.25ソル/約8.5円)にかけ、81.1%低下したと長官は説明。
モバイル回線数についても、2015年の3420万回線から2022年には4100万回線まで増加、人口比での普及率は114.2%から123.9%に上昇したと話す。
さらに、2015年第3四半期にはモバイル市場の87.4%を占めていた通信キャリア2社のシェアが、2022年同期には59.5%まで減少したと指摘する。
「すべての通信事業者が同等の市場シェアを分かつという理想的な競争モデルに近づいています。世界的に難しいモデルですが、これに近づけば近づくほどユーザーにとっても多くのメリットがあります」
固定インターネット市場
固定回線によるインターネット接続に関しては200万回線(2015年)から330万回線(2022年)に増加、同普及率は23.4%から33.0%まで伸長した。
また、固定インターネットの1Mbps(下り速度)当たり平均料金も、2015年(24.45ソル/約833.4円)から2022年(0.93ソル/約31.7円)まで、96.2%低下している。
さらにこの間、最大手ISPの市場シェアが80.8%(2015年)から52.0%(2022年)まで減少したという。
「モバイル接続に比べ、固定インターネットはコストが高いことから、市場競争はより複雑化していました。しかし、パンデミックの影響で市場が固定接続を重視するようになり、結果としてユーザーの選択眼も厳しくなっています」とムエンテ長官は付け加えた。
(ソース: Andina 08/02/23)