プレヒスパニックの時代から食べられてきたという、アンデスの伝統料理Ajiaco(アヒアコ)。その名の通りアヒ(トウガラシ)をベースにしたジャガイモのシチューで、いわばカボチャで作るロクロのジャガイモ版でしょうか。
手元のケチュア語辞書によると、aji(アヒ)はご存知 “トウガラシ”、hacu、またはaku(アク)は “穀類の粉、または小さな粒” の意味とありました。アヒは分かるとして、アクはジャガイモのでんぷんでも差すのでしょうか?もしくは語呂の問題だけで、この場合のアクには特に意味はないのかもしれません。
アヒアコと呼ばれる料理はラテン各地にあります。例えばコロンビアのアヒアコは鶏肉と野菜を茹でたスープにアボカドが入ったもの、チリのはパプリカを入れた牛肉ベースのコクのあるスープです。キューバのアヒアコは盛りだくさんで、牛肉、鶏肉、豚肉に加え、ユカ芋を始めとする野菜各種と豆類まで入れるのだとか。いずれの国も具沢山スープとい共通点があるのに、ペルーだけは相変わらず独自路線。それだけアンデスの食文化の影響が強く残っているということなのでしょう。
いずれにせよアヒ・アマリージョとジャガイモの相性が良いことは、これまでのレシピ紹介で証明済み。簡単すぎて特筆すべき点はありませんが、シンプルで飽きのこない美味しさです。
【材料】2人分
- ジャガイモ 2~3個(約400g)
- たまねぎのみじん切り 1/2個
- すりおろしニンニク 大1/2
- アヒ・アマリージョペースト 大3
- カルド・デ・ポヨ(チキンブイヨン) 200ml
- エバミルク、または牛乳 50ml
- 茹でたそら豆(薄皮を剥いた状態) 1/4カップ
- ケソ・フレスコ 60g
- ワカタイ 1~2枝
- ペレヒル(イタリアンパセリ) 適量
- 塩コショウ、クミン、オレガノ 適量
- 付け合わせ:目玉焼き、鶏むね肉のソテーなどお好みで
【作り方】
1、ジャガイモを1.5~2cm角程度の大きさにカットする。
2、アデレソを作る。鍋に油を敷き、たまねぎのみじん切りとたまねぎの水分を引き出すための塩一つまみを振り、よく炒める。たまねぎが透明になったらニンニクを入れ、次に残りのアヒ・アマリージョペーストを入れてよく炒める。塩コショウ、クミン、オレガノを適量入れてよく混ぜ合わせたらアデレソのできあがり。
3、2の鍋にジャガイモとカルドを入れて軽く塩を足し、ワカタイの枝を1本加えて蓋をし、ジャガイモに火が通るまで煮込む。水分が少ないと思ったら適宜足して、鍋の底が焦げつかないよう時々かき混ぜよう。
4、ジャガイモに火が通ったらワカタイの枝を取り除き、そら豆とエバミルクを加えて再度加熱、塩コショウで味を調え、最後にケソ・フレスコを加えてさっと混ぜ合わせたらできあがり。仕上げに刻んだペレヒルを散らそう。
【Keikoからひとこと】
とっても簡単なアヒアコ。ジャガイモは1種類でもいくつかの種類を混ぜてもいいです。私は煮崩れしにくいパパ・ブランカ(メークイン的なもの)とトロッと溶けるパパ・アマリージャ(男爵イモ的なもの)を合わせました。
またアヒの辛味がお好きな方はレシピどおり大3で、辛いのが苦手な方はアヒを減らしたり、エバミルクを増やすなど調整してください。アヒアコだけだとタンパク質が不足するので、目玉焼きや鶏肉のソテー、魚のフライなどお好きなものを添えてお召し上がり下さいね。