俳優のマット・デイモンが、1996年公開の映画『戦火の勇気』の役作りのため実施したという “チキンダイエット”。鶏むね肉だけを食べ続け(+運動も)、190ポンド(86㎏)あった体重を見事139ポンド(63㎏)まで減量させたことで注目を集めました。
一方ペルーのガストロノミアで “チキンダイエット” といえば、すなわちこのdieta de pollo(ディエタ・デ・ポヨ)のこと。sopa de pollo(ソパ・デ・ポヨ)と素直に呼べばいいのに、なぜディエタ(ダイエット)?
確かに具材たっぷりで味の濃いペルー料理にあって、このスープはとてもシンプル。痩せるかどうかは別として、これまでご紹介してきたどの料理より低カロリーであることはほぼ間違いありません。
もしかしたら件の減量秘話を耳にしたペルー人が、「あんたもちょっとは痩せなさいよ」とプレッシャーをかけてくる家族に対し、「ほら、俺だってちゃんと減量に取り組んでいるんだぜ~」とこのスープを食べながらアピールしたのが始まり・・・とか?ははは、想像が膨らみます~。
さっぱりして消化も良く、栄養バランスも優れたディエタ・デ・ポヨは病人食の定番で、さながら日本でいう卵がゆのような感じ。「子供のころ、熱を出した日にはお母さんがこのスープを作ってくれた」なんていう人も多いと思います。
私にとっては “高山病予防のスープ” という位置づけで、高地を訪れた初日に頂くことが多いかな。胃腸の働きが鈍くなりがちな高地では、胃に負担をかけないディエタ・デ・ポヨかサンコチャード(リマ風ではなくスープいっぱいのアンデス風)が最適です。
【材料】2人分
- 鶏むね肉 200g
- じゃがいも 2個
- ニンジン 1/3本
- セロリ 1/3本
- ポロネギ 1/3本
- カボチャ 40g
- ショウガ 1片
- カッペリーニ(またはお好きなパスタ)40g
- カルド・デ・ポヨ(チキンブイヨン)1~1.2リットル
- 塩コショウ、オレガノ 適量
- 付け合わせ:レモン汁、サルサ・デ・アヒ
【作り方】
1、鶏むね肉をそぎ切り、または一口大にカットする。細長くカットしてもOK。
2、ジャガイモは皮を剥いて大きめに、その他の野菜は細切りなど食べやすい大きさにカットしておく。ショウガは皮を剥き、叩いて潰しておく。
3、鍋にカルドを入れて一度沸騰させ、鶏むね肉とショウガ、塩少々を入れる。鶏肉にほぼ火が通ったらジャガイモ以外の野菜を加え、時間差でジャガイモも入れる(加えるタイミングはジャガイモの大きさによって異なる)。
4、すべての具材に火が通ったらカッペリーニを入れ、時間通りに茹でる。ショウガを取り除き、塩コショウで味を調え、オレガノを加えたらできあがり。食べる時にレモンをきゅっと絞ったり、サルサ・デ・アヒを加えてパンチを加えるなどお好みでどうぞ。
【Keikoからひとこと】
あまりに簡単すぎるペルー風ダイエットスープ。ブロッコリーやインゲンを加えると、彩りがよくなります。匂いの強いタマネギはペルー的には入れませんが、それはそれで美味しいですよ。
カッペリーニがスープを吸うので、もしパスタの量を増やすならスープの量も少し増やしてくださいね。でもダイエットをしたい方はパスタの量はどうぞ控えめに(笑)。