南北アメリカ大陸を始め、世界各地で食べられるempanada（エンパナーダ）は、“empanar（エンパナール＝パン・パン粉・パン生地で包む）”が語源のポピュラーな食べ物。日本のおかずパンよろしく、小腹が空いた時にぴったりのスナックです。
ペルーのエンパナーダは少し甘めのパン生地に鶏肉や牛肉の炒めものを詰めたものや、パイ生地にハム＆チーズの組み合わせが多く、アヒ・デ・ガジーナやロモ・サルタード、カプレーゼなど、個性的なグルメ系エンパナーダも売られています。でもやはり定番のempanada de pollo（エンパナーダ・デ・ポヨ／鶏肉のエンパナーダ）や、empanada de carne（エンパナーダ・デ・カルネ／牛ひき肉のエンパナーダ）が根強い人気。飽きのこない味ってあるんですよね。
ペルーでは、エンパナーダにレモン（メキシカンライム）を絞りながら頂くのがお約束。まずサクサクしたパン生地の端っこを一口食べて、中のフィリングに向けてライムをちゅっ！生地の程よい甘さとフィリングの塩味、ライムの酸味のバランスが絶妙な美味しさです。
【材料】6個分
エンパナーダの生地
- 小麦粉 250g
- バター 100g
- 溶き卵 1/2個分
- 水＋牛乳を混ぜたもの 60ml前後
- 砂糖 大1.5
- 塩 小1/2
フィリング
- 鶏むね肉 200g
- たまねぎのみじん切り 200g
- すりおろしニンニク 大1/2
- アヒ・アマリージョ 1/2本
- アヒ・パンカペースト 大1/2
- 茹で卵 1個
- レーズン 20～25g
- 刻んだペレヒル（イタリアンパセリ）の葉 大1
- 塩コショウ、クミン、オレガノ 適量
- 溶き卵 1/2個分
- レモン 適量
- オプション：カルド・デ・ポヨ（チキンブイヨン）、ブラックオリーブ
【作り方】
1、【生地】バターを適当な大きさにカットし、冷蔵庫で冷やしておく。ふるいにかけた小麦粉と冷たいバターをボウルに入れ、カートやナイフを使いながら粉状になるまでよく混ぜ合わせる。バターが溶けないよう気を付けて。
2、1の生地がよく混ざったら砂糖と塩、溶き卵、牛乳を混ぜた水（水だけでも可）を少しずつ加えてよく混ぜ合わせる。加える水は溶き卵の量によるので、いっぺんに入れないこと。
3、2の生地をこね、手につかず表面がツヤツヤになったら丸くまとめ、生地が乾燥しないようにラップをして室温で1～2時間休ませておく。
4、【フィリング】鶏むね肉を小さくカットする。アヒ・アマリージョをみじん切りにする。レーズンをぬるま湯に10～15分ほどつけて柔らかくし、ザルにあげて余分な水分をとっておく。茹で卵を6等分する。オリーブを入れるなら荒く刻んでおく。
5、フライパンに油を敷き、タマネギのみじん切りとタマネギのみじん切りとタマネギの水分を引き出すための塩一つまみを振り、よく炒める。タマネギが透明になったらニンニクを加えて炒め、次に鶏肉を加えてよく炒める。刻んだアヒ・アマリージョとアヒ・パンカペースト、レーズン加え、塩コショウ、クミン、オレガノで味を調えてフィリングの出来上がり。フィリングをしっとり仕上げたい人は、カルド・デ・ポヨを大2～3ほど加えてもいい。オリーブを入れるならここで一緒に加えて。できあがったフィリングを冷まし、6等分にしておく。
6、生地を6等分にし、フィリングを包みやすいよう長辺18cm前後、短辺14cm前後の長方形に延ばす。フィリング1/6を生地の上（または下）半分に乗せ、茹で卵1/6個を乗せる。フィリングを乗せていないほうの生地を上からかぶせ、中の空気を抜きながら生地の縁を抑えてギョウザのように生地の縁を摘まんでねじるか、フォークを使って生地をくっつけていく。
7、オーブンシートを敷いた天板に間を開けながらエンパナーダを並べ、溶き卵を刷毛で塗る。きれいな焼き色がつくまで200度で20～25分焼いたら出来上がり。レモン汁を絞りながら頂こう。
【keikoからひとこと】
上記レシピの生地はペルー風のほんのり甘めの仕上がり。なので気になる人は砂糖を減らしてもいいでしょう。
近年のインフレや小麦粉の値上がりで、エンパナーダもずいぶん値上がりしてしまいました。リマ市内のこじゃれたパン屋やカフェのエンパナーダは１個10ソレス前後、街のボデガで3.5～4ソレスくらいでしょうか。15年ほど前は、セントロで1～2ソレスで売っていたんですけどね～。
庶民のスナックなのでぜひ価格は抑えてほしいと思うけれど、安いものはやっぱりあまりおいしくない。たまにちゃんとした店のエンパナーダを食べると、「これはスナックなんかではなく、ひとつの独立した料理なんだ！」と感動する一方で、その値段にどうも納得がいかなかったりするんです。
だからこそ手作りエンパナーダの出番です！冷凍保存できるので、たくさん作っておけば非常食にもなりますよ。フィリングだって自由自在、それこそ残り物のカレーを入れてカレーエンパナーダだってありです。とても簡単なので、ぜひお子さんと一緒に作ってみてくださいね。