ペルー人の国外預金60億ドル 国税庁が7万口座把握

2020年10月、国家税務監督庁(SUNAT)はOECDによる機密保持および情報セキュリティのコンプライアンス審査に合格し、113か国とのデータ交換を開始するに至った。

開始から約2年、SUNATはすでに7万4000口以上におよぶペルーの企業や個人(ペルー人)のオフショア口座に関する情報を保有しており、その総額は60億ドル以上にのぼるという。

SUNATのルイス・ベラ長官は「この金額すべてが脱税や税逃れに関与しているというわけではありませんが、税務当局としてはこれらが行われた可能性のある取引を監視することができます」と説明する。

「必ずしも脱税や税逃れ(に該当する)ということではありませんが、この金銭が合法的な活動に由来し、かつ税務当局に申告されていることの裏付けがあるかどうかを調査する目的において、相互チェックによるデータ分析と脱税リスク回避に向けこれらの情報が役に立つのです」と長官は国会予算委員会で発言した。

この口座情報交換は、富裕層による複雑な形態の脱税や税逃れに対抗するひとつの手段とされる。これらの行為には国内の大企業も関与し、国際的な形で租税回避の類の取引を行っていると長官は指摘した。

SUNATは、他国との情報交換を通じ、これまでに1億4500万ソレス(約53億5100万円)の租税を徴収してきた。

納税者のパターン

SUNATは、徴税の改善に向け納税者のプロファイリングに取り組んでいる。ベラ長官によると、中小企業だけを閉鎖に追い込んでいるという汚名を返上することが同庁の目的であり、2015年以降はそのようになっていないと説明する。

同プロファイリングによると、関連する納税者の多くは納税の意思があるグループに大別できる。SUNATのデータでは、納税義務者の58%が租税を支払おうとしているものの、上手くいっていないことが明らかになっている。

このグループに対しては現在、納税できるようSUNATが支払い手続きのサポートを実施している。31%の関連納税者で構成されるもうひとつのグループには、正当な手順を踏んで納税を行う用意があり、その履行に向けSUNATが便宜を図っている。

また、11%は納税を望まず、0.1%は納税義務を果たさないと決めているという。これらの納税者に対しては、極めて厳格に法の適用を受けることになる。

(ソース: Gestión 15/09/22)