Lomo Saltado ロモ・サルタード

クリオージャ料理の雄、Lomo Saltado(ロモ・サルタード)。ジューシーな牛のロモ(ヒレ肉)とシャキシャキのタマネギに、ほんのちょっぴり煮崩れたトマトが優しく絡みつきます。

そこに登場するのがフライドポテト。牛肉やトマトのうま味を黙って受け止めてくれるニクイ奴で、主役級の存在感です。これが炒めただけのジャガイモだったら、ロモ・サルタードがこれほど人々に愛されることはなかったでしょう。

フライドポテトのないロモ・サルタードは、ただの肉入り野菜炒め。ジャガイモを揚げるのはちょっと面倒ですが、そこは手を抜かず頑張って!あとはとにかく手早くsaltearするだけ(参考:タジャリン・サルタード)。ヒレ肉のほか、cuadril(クアドリル/ランプ肉)やcabeza de lomo(イチボ)、tapa(うちもも)など赤身の柔らかい部位ならなんでも美味しいです。

【材料】2人分

  • 牛ヒレ肉、またはステーキ肉 300g
  • タマネギ 大1/2個
  • すりおろしニンニク 大1/2
  • トマト 1個
  • アヒ・アマリージョ 1/2本
  • ジャガイモ 2個
  • 青ネギ 2~3本
  • クラントロ(コリアンダー) 適量
  • ピスコ酒、または赤ワイン 大1
  • 醤油 大2
  • オイスターソース 大1/2~大1弱
  • 赤ワインビネガー 大1
  • カルド・デ・レス(ビーフブイヨン) 50ml
  • 塩コショウ、クミン 適量

【作り方】

1、ロモを親指大ほどの大きさにカットし、塩コショウとクミン、すりおろしニンニク(分量外)をまぶして下味をつけておく。

2、ジャガイモをくし切り、または拍子木切りにして水に晒し、水分をよく拭きとる(皮の有無はお好みで)。鍋にジャガイモを入れてから油を注ぎ、低温でじっくり揚げる。ジャガイモに火が通ったら油を高温にしてカリッと仕上げ、キッチンペーパーに取る。

3、野菜をカットする。タマネギは厚めのくし切りにし、後で炒めやすいよう1枚ずつばらしておく。トマトは種を取ってタマネギと同じくらいの幅のくし切りに、アヒ・アマリージョは種と筋を取り、細切りにしておく。クラントロの葉を刻んでおく。

4、フライパンを熱し、十分に熱くなったら油を入れて1の牛肉を入れ、表面に香ばしい焼き色をつける。ピスコ酒を振り、アルコール分が飛んだら肉をいったん取り出す。焼き加減は好みだが、レア好きなら表面をしっかり焼き固める程度でいいかも。いずれにせよ後で野菜と一緒に炒めるので、ここでは火を通しすぎないように。

5、4のフライパンに油を足し入れ、タマネギとすりおろしニンニクを入れて手早く炒め、アヒ・アマリージョ、トマトの順に入れて炒める。4の牛肉を戻して赤ワインビネガー、醤油、オイスターソース、カルドを加えて手早く炒め合わせる。ここにフライドポテトを加えて一緒に炒め合わせてもいいし、別々にしてもいい。最後に塩コショウで味を調え、仕上げにカットした青ネギとクラントロを加えてさっと混ぜ合わせたらできあがり。

【Keikoからのひとことアドバイス】

ペルーの国民的料理のひとつロモ・サルタード、いかがでしたか?以前は肉や野菜とフライドポテトを一緒に炒め合わせるのが主流でしたが、ここ10年ほどはポテトのサクサク感を楽しめるよう、肉や野菜と別々に盛りつけるスタイルが多くなりました。

サクサク感が残るフライドポテトも、カルドを吸ってふにゃっとなったフライドポテトもどちらも捨てがたい美味しさ。なので細切り肉を使う時は一体感を出すよう全体を混ぜ合わせるとか、ロモを奮発した時はひとつひとつの素材の味を楽しめるよう別々に盛りつけるなど、臨機応変に対応しましょう。

リマの名店José Antonioのロモ・サルタードは、昔ながらの混ぜ混ぜスタイル。一見何の変哲もない牛肉炒めに見えますが、これが絶妙な美味しさ、さすが老舗レストランです!

牛肉の代わりに鶏むね肉を使って「Pollo Saltad(ポヨ・サルタード)」にしたり、豚ロースに置き換えてもいいですね。ロモにこだわらず、ご家庭にあるお肉を使って気軽に作ってみてください。