カタカオスからアヤバカまで ピウラ州5つの伝統

美しいビーチとおいしい郷土料理に恵まれたピウラ州は、夏の暑い時期を中心に内外の旅行者が好んで足を向ける観光地のひとつ。その美しさの背景には、カトリックの伝統やプレヒスパニック期を彷彿とさせる文化の名残りがあります。

ピウラと言えば海や太陽、白い砂浜が思い浮かびますが、アンデスの伝統と関連のある山間部も忘れてはなりません。そんなピウラの伝統的な文化や習慣を、ペルー貿易観光促進庁(Promperú)が次のように紹介しています。

EL TONDERO(トンデーロ)


スペイン南部や東欧からかつてのペルーに流れ着いたジブシーたちの集落で、アフリカ系ペルー人およびペルー先住民のリズムや文化が融合して生まれたのがトンデーロ。ピウラ州のモロポン郡は、このクリオージャ音楽ジャンルの発祥地のひとつ(※ランバイエケ州サーニャもその起源を主張)とされています。トンデーロとは、ギターとカホンの伴奏が付く陽気で生き生きとした大胆な踊りで、一組の男女が素早いステップで恋の駆け引きを演じる求愛のダンスです。女性の衣装は花柄のシンプルな白いブラウスにカラフルなフレアスカート(郷土色豊かなポジェラ)、男性は白いシャツに黒のズボンとソンブレロが特徴です。(参考動画: https://youtu.be/2jpBJy2yOlE)

SEMANA SANTA DE CATACAOS(カタカオスの聖週間)


ピウラはもともと信仰心の厚い土地ですが、カタカオスの聖週間(イースター)はまた格別です。聖金曜日から復活祭にかけ10日間にわたって祝われるこの祭典は、2018年に国家文化遺産の指定を受けました。様々な修道会や信徒会が参加するカタカオスの聖週間では、Vía Crucis(十字架の道行き)を始め、地元の信仰心を表す数々の催しが行われます。

EL SEÑOR CAUTIVO DE AYABACA(アヤバカの囚われのキリスト)

「アヤバカの囚われのキリスト」は、ゲッセマネの園で弟子たちに置いて行かれ、捕縛された直後のキリストを描写した宗教的な彫像で、ピウラ州山間部の街アヤバカの聖母ピラール教会に祀られています。周辺の地域を始め、全国から敬虔な信者がこの教会を巡礼し、様々な祝典を行う毎年10月12~14日の3日間は、2013年以来ペルーの国家文化遺産に指定されています。

EL YUPISÍN(ユピシン)

この大切な飲み物を知るためには、ピウラにおけるプレヒスパニック期の歴史に触れる必要があります。今日私たちがピウラと呼んでいる一帯は、かつてタリャン文化(紀元500年頃~1470年)に支配されていました。カリウムや鉄、カルシウムなどのミネラルを豊富に含むペルーのスーパーフード「アルガロバ」のエキスをもとに作るユピシン、その伝統的な製法はタリャンの時代から続くものです。

CARNAVAL DE BERNAL(ベルナルのカーニバル)

全国の様々な地域で大きな祭りが行われる2月、ピウラ州セチュラ郡のベルナルでもカーニバルが開催されます。ダンスや喧噪、山車のパレードを始め、プレゼントや飾りをぶらさげた木を切り倒して参加者に配る伝統的なイベント「ユンサ」などで盛り上がるベルナルのカーニバルでは、街全体が赤、緑、クリーム色の旗を掲げた三つのチームに分かれて競い合い、祭りを祝います。

(ソース: ペルー貿易観光促進庁/Promperú)