Estofado(エストファード)とはスペイン語でシチューのこと。陶器製の容器に肉や野菜を入れて蓋をし、かまどの残り火でじっくり煮込んだ料理を指すestouffadeというフランス語が語源だそう。
素材の旨みが凝縮された煮込み料理=シチューは、誕生の地フランス南部プロバンス地方からイタリア、スペイン、そしてラテンアメリカに伝わりました。チリやアルゼンチンでは牛肉を使ってちょっと濃厚な仕上がりに、エクアドルはアチョーテを入れるのが特徴です。
ペルーはなんといっても鶏肉が主流。牛肉を使うレシピもありますが、“estofado peruano(ペルーのエストファード)” と検索すると、ヒットするのは圧倒的に鶏肉バージョン。ペルー人って本当にポヨ好きですよね。
鶏肉を使ったエストファードは牛肉バージョンより短時間でできるので、お昼ご飯にちゃちゃっと作れるのが魅力です。トマトの酸味をさりげなく中和してくれるレーズンの甘味もいい感じ。
比較的サラサラなテクスチャーなのでたくさん食べても胃がもたれることはなく、シチューといっても小麦粉も使わないのでとってもヘルシー!ペルーの定番料理、では早速参りましょう!
【材料】2人分
- 鶏もも肉 300g(今回は手羽元を使用)
- タマネギのみじん切り 1/2個
- すりおろしニンニク 大1/2
- アヒ・パンカペースト 大1
- アヒ・アマリージョペースト 大1/2
- トマト 1個
- トマトペースト 大1
- ジャガイモ 2個
- ニンジン 1/2本
- グリーンピース 1/4カップ
- カルド・デ・ポヨ(チキンブイヨン) 250~300ml
- 白ワイン 大2
- レーズン 20~25g
- ローレル 1枚
- ペレヒル(イタリアンパセリ) 少々
- 塩コショウ、クミン、オレガノ 適量
【作り方】
1、手羽元は骨に沿って切れ目を入れておく(早く火が通るのでおススメ)。骨なしもも肉の場合は大きめにカットしておく。鶏肉に塩コショウとクミンを軽くふり、油を敷いた鍋に入れて全体を香ばしく焼き付けたらいったん取り出しておく。後で煮込むので、ここでは火が完全に通らなくても大丈夫。
2、ジャガイモは皮を剥いて1cm幅に、ニンジンも皮を剥いて5mm幅の輪切りにする。トマトの皮を剥いて種を取り除き、細かく刻むかミキサーにかける。ペレヒルを刻んでおく。
3、アデレソを作る。1の鍋に油を適宜足し、タマネギのみじん切りとタマネギの水分を引き出すための塩一つまみを入れてよく炒める。タマネギが透き通ってきたらニンニクを入れてよく炒め、アヒ・パンカペーストとアヒ・アマリージョペーストを加えてさらに炒め合わせる。2のトマトとトマトピューレを入れてさらに加熱し、塩コショウ、クミン、オレガノを加えたらアデレソのできあがり。
4、3のアデレソに1の鶏肉を戻し入れ、白ワインを加えてアルコール分をさっと飛ばす。カルド・デ・ポヨとローレルを加えて蓋をし、沸騰してきたら薄切りにしたニンジンとジャガイモ、レーズンを加えてさらに煮込む。時々中を確かめて、水分が減っていたら水を少し足そう。
5、鶏肉や野菜にだいたい火が通ったらグリーンピースを加えて引き続き煮込み、塩コショウで味を調え、最後にペレヒルを加えたらできあがり。
【Keikoからのひとことアドバイス】
骨付き肉の場合は火の通りに時間がかかるため、野菜を一緒に煮込んでも鶏肉を加熱しすぎることはまずありませんが、骨なしの場合はジャガイモやニンジンの仕上がりを待つ間に鶏肉が固くなってしまう可能性があります。
なのでその場合は鶏肉をいったん取り出すか、野菜を小さくカットするか、または野菜をあらかじめ加熱しておくといいでしょう。とはいえジャガイモだけはトマトソースで一緒に煮込んだほうが断然美味しいので、大きさを調整するのがいいかもしれませんね。またトマトの酸味が気になるけれどレーズンがない!という場合は、砂糖を少し加えてください。
辛味の少ないアヒ・パンカがメインなので仕上がりはとてもマイルドですが、お子さんがいる場合は念のため、アヒ・アマリージョを抜いて作ったほうがいいかもしれません。ペルー風トマトベースのチキンシチューは、誰にでも愛される飽きのこないお味が魅力。ぜひ作ってみて下さいね。