パンは私たちの食生活に欠かせない食べ物です。パンのない朝食なんて、ほとんどのペルー人には想像もつかないでしょう。それぞれの土地特有の食材を生かしたペルー料理が各地域にあるように、ペルー国内で食べられているパンにも数多くの種類が存在し、その数は300以上におよぶと言われています。
穀類やスーパーフードの生産国であるペルーのパンは特に栄養価が高いとされますが、仕事前のエネルギー補給に朝食をたっぷり摂るペルー人はパンの味にも結構うるさく、このこだわりがおいしくて栄養満点のパンを生み出しているのです。それらの中でも代表格とされる6種類のパンを、ペルー貿易観光促進庁(Promperú)が次のように紹介しています。
PAN CHAPLA
ケチュア語で「平らにした」または「押しつぶした」パンという意味の名前が付けられたアヤクチョ地方のパン・チャプラ。小麦粉にアニスを混ぜて土窯で焼くのが伝統的な作り方です。古くからアヤクチョに伝わるこのパンは、イーストを使わないので平たい形をしており、ペルー南部の様々な街で見ることが出来ます。
TANTA WAWA
11月1日、諸聖人の日(el Día de Todos los Santos)に向け毎年特別に作られるパン「タンタ・ワワ」。ケチュア語で「赤ちゃんパン」を意味するこの甘いパンは、アヤクチョやフニン、アンカシュ、パスコ、プーノ、アプリマック、アレキパ各州の伝統的なパン。小さな子供や赤ん坊の姿を模した大きなパンで、シュガーペーストを使った飾り付けがしてあります。
CASABE
ペルーアマゾンにおける料理の基本的な食材のひとつにユカ芋が挙げられます。「カサベ」はアマゾンに位置するマードレデディオスやロレト、プカルパ各州に古くから伝わり、ユカ芋の粉が使われています。鉄板で焼いて作る平たいパンで、形はトルティーヤにとてもよく似ており、ペルーアマゾンの伝統的な朝食に欠かせない一品です。
PAN DE TRES PUNTAS
アレキパ特有のパン「パン・デ・トレス・プンタス」は、キリスト教の教義である三位一体に敬意を表してこのような形に作られたもので、この街の信仰と結びついています。その多くは聖週間(イースター)に消費されますが、今ではアレキパ料理に欠かせないほど一般的になり、郷土名物のひとつ「アドボ」と一緒に食べる習慣がついています。
MISHTI SHONGO
ワヌコ州の代表的なパンで、その名前は「上品な・白い・純粋な」を意味するmishtiと、「心」を表すshongoという2つのケチュア語の単語に由来する奥深いものです。これは2種類の生地を合わせた独特のパンで、ひとつは小麦粉に砂糖と塩、ラードを混ぜた生地、もうひとつは小麦粉と胚芽、塩、砂糖、ラードで作った生地が使われています。
CACHANGA
ペルーの北部、特にラ・リベルタやランバイエケ、ピウラの各州でよく食べられているパンです。小麦粉の生地を油で揚げたもので、イーストは使いません。具材を詰める場合もあり、大抵はチーズが入ります。家庭の朝食で食べられるだけでなく、ペルー北部のストリートフードとしても大いに活躍しています。
(ソース: ペルー貿易観光促進庁/Promperú)