PCR検査数首都に集中 地方部陽性率不均衡の要因に

新型コロナウイルス感染症のパンデミック発生以来、PCR検査実施場所の地域的な偏りに起因する地方部の不均衡な陽性率が問題になっている。

陽性判定の正確性からWHOが推奨するPCR検査の実施件数は全国でもリマ市43区に集中、一日当りの検査数は平均で1万1000件におよぶ(下表参照)。

州別のCOVID-19陽性率とPCR検査数

州名陽性率%PCR検査数/日
アマソナス3040
アンカシュ25.5200
アプリマック1020
アレキパ7.41200
アヤクチョ39100
カハマルカ32200
カリャオ311000
クスコ34250
ワンカベリカ1640
ワヌコ040(時々0)
イカ31150
フニン15300
ラ・リベルタ13.6400
ランバイエケ18200
リマ郡部4.6700
リマ市43区1911000
ロレト37200
マードレデディオス2240
モケグア12500
パスコ2025
ピウラ12200
プーノ40150
サンマルティン3680
タクナ6350(時々0)
トゥンベス14150
ウカヤリ1140
(FUENTE: Rodrigo Parra)

一方地方部では状況が全く異なり、保健省の報告に基くアプリマック州やパスコ州の検査数は一日当り20~25件に過ぎない。言い換えれば、保健省統計における一日当りの全国平均検査数1万275件中、地方部の検査数は36.3%のみということになる。

専門家の意見

ペルー・カトリカ大学の情報分析専門家ロドリゴ・パラは、首都リマへのPCR検査集中が原因で、地域別の防疫措置適用にあたり政府の拠り所となる感染ヒートマップが不正確なものになっていると指摘する。

同専門家の統計によると、COVID-19第一波到来の際の検査数は一日平均2万2000件(うちPCR検査は3000件、残りは簡易検査)、現在は一日平均5万2000件(うりPCR検査は約3割)が実施されているという。

「一日当りの平均感染検査数は、昨年9~11月の第一波収束時(2万件以下)以降12月は1万5000件まで減少、現在は約4万8000件8~5万件まで増えています」

検査ラボもリマ市に集中

民間医療機関リカルド・パルマ・クリニックの感染症医フリオ・カチャイは、保健省の統計によりリマ市への一極集中傾向が改めて浮き彫りになったと話す。

「統計上の数値に不均衡が見られます。保健省の統計データだけでは、実際にどのくらいの人数が感染しているのかよくわかりません」

感染拡大の程度を把握するために必要な地方部の検査数については、数に標準や制限はなく、呼吸器系の症状が見られる患者をテストするのが理想的としている。

カチャイ医師はまた、首都における検査ラボの数が感染検査の集中を招いている可能性に言及、「物流の中心がリマであることに疑いの余地はありません。地方部の検査ラボは数が限られています。これが(地方部で)PCR検査数の少ないもうひとつの理由です」

死者数と陽性率は減少

パラ専門家は、全国死者数統計(Sinadef)による死者の数が11日前から減少を続けていると報告。「最初のピークは過ぎました。死者数曲線の右下がりはいい傾向と言えます」と述べた上で、ここ数日は陽性率もわずかに下がっていると注釈した。

保健省統計によると、感染者数が日々増減を繰り返す一方で、2月28日発表の陽性率(全国)は19%、3月2日には15%まで下降している。

(ソース: Gestión 04/03/11)

ペルーパンデミック354日目

ペルー保健省発表3月2日COVID-19関連国内統計

  • 感染者数累計 1344969人(前日比+6672)
  • 死者数累計 47089人(+195)
  • 既検査数累計 7701919件(+53423)
  • 陽性率 17.46%↓
  • 死亡率 3.501%↓
  • 入院患者数 15301人(+80)
  • 上記の内ICU患者数 2153人(+13)
  • 回復患者数 1250047人(+6018)

直近一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)

  • 3月2日 6672人(195)
  • 3月1日 5358人(209)
  • 2月28日 3134人(191)
  • 2月27日 5942人(195)
  • 2月26日 7500人(205) 
  • 2月25日 7641人(191)
  • 2月24日 7923人(220)
  • 直近7日間平均 6310人↓(200.9↓)
  • 直近7日間の陽性率 13.78%↓ ※累計比
  • 直近7日間の感染者数合計 44170人↓(前日比-630↓)
  • 直近7日間の死者数合計 1406人↓(前日比-1↓)

(ソース: MINSA 3月3日)