銀行保険監督庁(SBS)が成人のペルー人を対象に実施した調査によると、コロナ禍で失業や無給待機が増加する中、収入が途絶えた場合3か月以内に預金が底をつくとする回答が51%を占めることが分かった。
この数値は日常的に銀行を利用しているペルー人を分母とするもので、日々の支出を賄える期間の内訳は1週間未満が13%、1週間以上1か月未満が13%、1か月以上3か月未満が33%。
一方、銀行口座を持たない者を含む金融関連に疎遠な層を対象とした場合の内訳はそれぞれ23%、30%、10%で、合計は63%に達している。
貯蓄不足
経済専門家のホルヘ・ゴンザレス・イスキエルドは「3か月生活するためには明らかに貯蓄が不足しており、新たな仕事を見つけるまでのつなぎであればなおさら足りません」と断言する。
また、退職時一時金積立(CTS)は最低でも月収の4か月分を保持すると定められているものの、パンデミック前と同じ働き口を見つけるのは難しく、以前とは異なり職探しが長引き状況はより複雑化していると注釈した。
SBS教育・包摂部門のフアン・カルロス・チョン部長は、収入が突然絶たれた状況に長期間耐えられるかどうかは貯蓄次第であり、銀行利用層ではその額がより多いと指摘する。
「今回のパンデミックを通じ、以前に比べ、財務的レジリエンスは金融知識や資金調達力といったテーマにより深く関連しているということが明らかになりました。十分な知識を持たない金融包摂水準の低い層が生活資金調達に問題を抱える一方で、そうでない層は収入のない状態でもより長く耐えることができました」
家計支出のコントロール
チョン部長はまた、日常的に銀行を利用している層には、支出の低下を補う工夫に加え、預金額や家計を適切にコントロールする能力との関連性がうかがえると明言。ペルー人の間で家計収支を見直す傾向があり、世帯支出にある種の戦略を適用する家庭の割合は2013年から2019年にかけ29%から55%に上昇したと話す。パンデミックの最中もしくはその以前から、緊急時や不測の事態に備え、ペルー人が用心のためまずは預金を心がけるようになったというのだ。
無駄な出費の抑制
前述の理由から、国内金融機関における預金額は昨年1年間で25%増加。これは過去数年間の平均(8%)をはるかに上回る率であり、人々が無駄な出費を抑え、家計救済を目的とした民間年金基金(AFP)やCTSの一部取崩措置に由来する余剰資金が貯蓄に回ったため、とチョン部長は解説する。
「2020年以来、人々は以前より資金計画について学ぶようになり、資産を上手に管理しています」
しかしながら、金融の包摂化が進む一方で、いまだ全体の83%が金融機関外に金銭を預け、59%が金融機関外への預託もしくは証券化により資産を保有しているという。金融機関外の保有には、いわゆるタンス預金を始め、家族や非正規金融業者への預託、家畜や不動産の形での資産所持などが含まれる。
(ソース:Gestiòn 19/03/21)
ペルーパンデミック370日目
ペルー保健省発表3月18日COVID-19関連国内統計
- 感染者数累計 1451645人(前日比+8124)
- 死者数累計 49897人(+191)
- 既検査数累計 8592274件(+62451)
- 陽性率 16.89%↓
- 死亡率 3.437%↓
- 入院患者数 15173人(+190)
- 上記の内ICU患者数 2241人(+15)
- 回復患者数 1364556人(+8764)
直近一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)
- 3月18日 8124人(191)
- 3月17日 7923人(183)
- 3月16日 8534人(193)
- 3月15日 8090人(153)
- 3月14日 6568人(174)
- 3月13日 4443人(162)
- 3月12日 5353人(177)
- 直近7日間平均 7005人↑(176.1↑)
- 直近7日間の陽性率 11.69%↑ ※累計比
- 直近7日間の感染者数合計 49035人↑(前日比85↑)
- 直近7日間の死者数合計 1233人↑(前日比11↑)
(ソース: MINSA 3月19日)