ペルー運輸通信相エドゥアルド・ゴンザレスは、鉄道に代わり世界遺産マチュピチュ遺跡へアクセス可能な新ルートの建設をこの6月から開始すると発表した。
サンタ・マリア-サンタ・テレサ(写真)-水力発電所-マチュピチュ村区間の道路建設から成る同ルートの総工費は6億4900万ソレス(約186億8800万円)で、2023年12月の供用開始を見込んでいる。
クスコ商工会議所のエディ・クエジャル会頭は、道路での移動は鉄道に比べ割安で観光客の増加が期待できると話す。「値段的にアクセスしやすくなるので、マチュピチュ観光の促進につながるでしょう。所要時間はおよそ4時間半、途中のラ・ベロニカトンネルが完成すれば3時間まで短縮できると思います」
会頭はまた、新ルート供用開始予定の2023年末には観光セクターも(コロナ禍から)すでに復調していると考え、マチュピチュ遺跡の訪問者数をパンデミック以前(最大5900人/日)よりさらに50%程度増やすよう求めている。
ロープウェイ構想
一方、全国観光協会(Canatur)のカルロス・カナレス会長は、新ルート建設の前にマチュピチュ遺跡の最大収容人数を再考すべきと主張。「現在は(コロナ禍で)1165人/日に制限されていますが、パンデミック以前の最大収容人数は5900人/日でした。今のまま新ルート建設に着手すればどうなるでしょうか?観光客が無秩序に集中し、混乱を招くことになるでしょう。秩序立った全体計画に基いて実施する必要があります」
カナレス会長はまた、増加する観光客数への無策を理由として、ユネスコがマチュピチュ遺跡を危機遺産リストに編入する可能性について警鐘を鳴らす。
「訪問者による遺跡への負担に関する調査結果に基き、一日当り5900人以上を入場させることはできませんが、現在10分の1しか開放されていない見学エリアを拡張しテクノロジーを駆使すれば、この先4年以内にはこの問題を解決に導くことができるでしょう」
当件に関し会長は、アマソナス州のクエラップ遺跡で成功を収めているケースに倣い、マチュピチュ遺跡の観光客増加に向けたロープウェイの建設構想に言及。現行のバス往復輸送(マチュピチュ村⇔マチュピチュ遺跡)に代わり、短時間でより快適にアクセスできる交通手段としている。
「Consettur(※前述のバスを運行するコンセッション事業者)のバスは廃止されるでしょうが、ロープウェイ設置と新ルート建設双方のプロジェクトに加わることになります」
会長はさらに、ロープウェイが完成すればマチュピチュ遺跡の収容人数は必然的に5割ほど増え、一日9000人程度になるだろうと指摘した上で、以前はこの事業が実施されなかったと付け加えた。
文化省は昨年、このロープウェイ建設構想(総工費約6800憶㌦)に関し、ケーブルカーやエレベーター敷設案とは異なり、景観を破壊し世界遺産の価値を損なうとして、ユネスコ同様設置に反対する立場を示した。
(ソース: Perú21 12/02/21)
ペルーパンデミック336日目
ペルー保健省発表2月12日COVID-19関連国内統計
- 感染者数累計 1227205人(前日比+6457)
- 死者数累計 43491人(+236)
- 既検査数累計 6879425件(+53872)
- 陽性率 17.84%↓
- 死亡率 3.544%↑
- 入院患者数 14222人(-111)
- 上記の内ICU患者数 2075人(+24)
- 回復患者数 1137412人(+6489)
直近一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)
- 2月12日 6457人(236)
- 2月11日 8439人(210)
- 2月10日 8807人(186)
- 2月9日 6724人(233)
- 2月8日 5557人(159)
- 2月7日 4523人(159)
- 2月6日 6220人(187)
- 直近7日間平均 6675.3人↓(195.7↑)
- 直近7日間の陽性率 15.67%↓ ※累計比
- 直近7日間の感染者数合計 46727人↓(前日比-976↓)
- 直近7日間の死者数合計 1370人↑(前日比48↑)
(ソース: MINSA 2月13日)