ペルー政府 再ロックダウンの延長と拡大を発表

ベルムデス首相は10日、新型コロナウイルス感染症の急激な拡大を受け施行された新たな防疫措置の発令期間(1月31日~2月14日)を2月28日まで14日間延長すると発表した。

これに伴い、ロックダウンの適用対象となる感染警戒水準最高度の地域は次の18州32郡に拡大される。首相はまた、28日までに期待どおりの成果が見られない場合は関連措置を見直すと表明している。

措置延長に伴う感染警戒水準最高度地域(予定)

アマソナスウトゥクバンバ
アレキパアレキパ、カマナ、イスライ、カイリョーマ
アヤクチョウアマンガ
カリャオ特別州カリャオ
カハマルカクテルボ
クスコカンチス、ラ・コンベンシオン
ワンカベリカワンカベリカ
イカイカ、チンチャ、ピスコ
リマリマ市43区、ワウラ、カニェテ、バランカ、ワラル
フニンワンカヨ、タルマ、ヤウリ、チャンチャマヨ
タクナタクナ
ワヌコワヌコ
プーノプーノ
アンカシュエル・サンタ
アプリマックアバンカイ
パスコパスコ
ロレトマイナス、ラモン・カスティーリャ
モケグアイロ
(fuente: Gestión)

医療用酸素不足

ピラール・マセッティ保健相は、全国で医療用酸素が一日当り110㌧不足していると報告、状況の改善に向け政府の支援を要請している。「(医療用酸素は)一日当り510㌧必要です。購入可能な国内の生産量は400㌧/日で、110㌧足りません」と指摘し、企業の生産強化と輸入(20~30㌧)が待たれると述べた。

ワクチンの確保

ベルムデス首相はさらに、今年の3月(25万単位)と4月(80万単位)に米国の大手製薬企業ファイザーから計105万単位の新型コロナウイルスワクチンがペルーに到着する見込みと報告した。

他方、中国企業シノファーム社製ワクチン初回ロット100万単位の残り70万単位については、マセッティ保健相が「正確な到着日が分かり次第お知らせします」と記者会見でコメントしている。

3月第1週には昨年のピーク越えも

社会保険庁のフィオレラ・モリネリ長官は、このところ6週連続で感染拡大が進んでおり、現在同様のペースがこの先も続いた場合、3月第1週には昨年のピーク時(感染者6万人/週)を超える可能性があるとの見方を示している。

リマ首都圏で再ロックダウンの効果見られず

ペルー・カトリカ大学の情報分析専門家ロドリゴ・パラはTV番組のインタビューで、今のところリマ首都圏への再ロックダウンによる目立った効果は表れていないと答えている。防疫措置適用後も新型コロナの感染者や死者の数は増え続け、ICU病床使用率や全国死者数統計も上昇しているというのだ。

政府によるさらに厳格な防疫措置発動の必要性について問われたパラ専門家は「区別に防疫措置を強化するのは困難です。状況の分析が必要ですが」と述べる一方、地域によっては死者数の統計曲線がわずかに下降しつつあると指摘し、「新防疫措置は感染者数の低減に貢献していません。医療現場の崩壊を抑えているというのが実情です」と注釈した。

医療スタッフのワクチン接種

パラ専門家はまた、新型コロナ重症患者用のICU病床使用率が減少に転じているのはアプリマック州だけで、他の地域は依然として高率のままと報告。対コロナ最前線で戦う医療スタッフへのワクチン投与により、この先数日で関係者の犠牲は減ると予測している。

ペルー医師会が把握するパンデミック以降における医療スタッフの死亡者は307人、他にも50人がICUで治療中。医師の犠牲者数に関し、ペルーはイベロアメリカ諸国中メキシコとブラジルに次ぐワースト3位。

感染者数は依然上昇中

ペルー医師会のミゲル・パラシオス医師もパラ専門家と同意見で、新型コロナ感染者数とICU病床使用率は残念ながら上昇を続けているとした上、ウイルスは郊外で増殖しており、(再ロックダウンは)市民の外出を制限する目的を果たせていないと強調。路上で取締りに当たる警察官の少なさにも疑問を呈した。

パラシオス医師はまた、新型コロナワクチンを拒否している人々に関して、多くの市民が接種すればそれにつられて方針を変えると見込んでおり、医師の間でもシノファーム製ワクチンの接種に反対する動きがあることを明かしている。

さらに、医療機関における重症患者への医療用酸素不足については、増産および工業用酸素の代替供給に向け確立された措置の適用が急務としている。

(ソース: Gestión 11/02/21)

ペルーパンデミック333日目

ペルー保健省発表2月9日COVID-19関連国内統計

  • 感染者数累計 1203502人(前日比+6724)
  • 死者数累計 42859人(+233)
  • 既検査数累計 6707787件(+40541)
  • 陽性率 17.94%↓
  • 死亡率 3.561%↓
  • 入院患者数 13539人(-289)
  • 上記の内ICU患者数 2022人(-14)
  • 回復患者数 1117729人(+6233)

直近一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)

  • 2月9日 6724人(233)
  • 2月8日 5557人(159)
  • 2月7日 4523人(159)
  • 2月6日 6220人(187)
  • 2月5日 7433人(188) 
  • 2月4日 7993人(180)
  • 2月3日 6715人(215)
  • 直近7日間平均 6452.1人↓(188.7↑)
  • 直近7日間の陽性率 16.9%↓ ※累計比
  • 直近7日間の感染者数合計 45165人↓(前日比-1849↓)
  • 直近7日間の死者数合計 1321人↑(前日比49↑)

(ソース: MINSA 2月10日)