ペルー社会保険庁（EsSalud）は25日、全国の18州でここ数週間新型コロナウイルスの感染者増加が見られると注意を促した。
増加率が最も高い州はチチカカ湖（写真）で有名なプーノ（85%）、次いでクスコ（44%）、ワンカベリカ（44%）、アプリマック（36%）など。他にもピウラ、フニン、ロレトを含む計7州で30%を超えている（下表参照）。
COVID-19州別感染者推移
| 州 | 増加率% | 増加人数 |
| プーノ | 85% | 984 |
| クスコ | 44% | 726 |
| ワンカベリカ | 44% | 249 |
| アプリマック | 36% | 126 |
| ピウラ | 34% | 412 |
| フニン | 34% | 494 |
| ロレト | 31% | 196 |
| ワヌコ | 29% | 339 |
| カリャオ | 25% | 337 |
| タクナ | 20% | 228 |
| モケグア | 19% | 282 |
| アヤクチョ | 18% | 162 |
| カハマルカ | 16% | 286 |
| リマ | 16% | 3079 |
| ウカヤリ | 15% | 111 |
| アマソナス | 12% | 116 |
| マードレデディオス | 5% | 27 |
| アンカシュ | 1% | 10 |
| ラ・リベルタ | ▲1% | 11 |
| アレキパ | ▲2% | ▲98 |
| イカ | ▲6% | ▲96 |
| ランバイエケ | ▲8% | ▲90 |
| トゥンベス | ▲13% | ▲52 |
| サンマルティン | ▲19% | ▲223 |
| パスコ | ▲22% | ▲125 |
同庁情報分析班のチームリーダー、ダンテ・セルッソは、増加率の多い上位4州を対象に集中的なウイルス封じ込め対策が必要と話す。「COVID-19はすべての地域で同時に拡大するわけではありません。まず太平洋沿岸部の都市に広がりそれからアマゾンへ、最後は山間部へと拡散する傾向にあります。ゆえに、ここ数週でアンデス高地の感染者が増えると予測はしていました」
同氏はまた、国内長距離旅客輸送サービスの再開に伴う人の移動が、これらの地域におけるCOVID-19拡大の主な原因と述べ、市街地のみならず都市部から離れた寒村でもその勢いを増していると説明。アンデス高地の医療崩壊を防ぐため、すでに医師の派遣や医療物資の支援を行っていると報告した。
リマの感染トレンドは周縁部から新市街へ
一方、リマ首都圏（リマ市43区とカリャオ特別州）のCOVID-19ヒートマップによると、ミラフローレス（78%）やミ・ペルー（71%）、バランコ（46％）など8区で直近2週間の感染者増加率が30%を上回っているという（下表参照）。
リマ首都圏COVID-19感染者推移（上位10区）
| 区 | 増加率% | 増加人数 |
| ミラフローレス | 78% | 117 |
| ミ・ペルー（カリャオ） | 71% | 24 |
| バランコ | 46% | 28 |
| カリャオ（カリャオ） | 36% | 237 |
| プエブロリブレ | 37% | 45 |
| リマセントロ | 35% | 413 |
| ラ・モリーナ | 33% | 77 |
| サンイシドロ | 31% | 36 |
| カラバイージョ | 29% | 134 |
| プンタエルモッサ | 29% | 2 |
これに関しセルッソ氏は、首都圏周縁部の複数区に加え、サンイシドロやプエブロリブレ、サンボルハなどの新市街でも感染拡大の傾向が見られると指摘。「住民が細心の注意を払っていたこれらの地区でも、現在感染者が増えつつあります。ウイルスはまだ健在なのに住人側の予防措置にほころびが生じているんですね。われわれはこの数字を見て反省すべきでしょう」
さらに同氏は、感染者の増加が父の日や母の日を始めとする記念日や祝日に関連しているとし、「最近では7月28日の独立記念日（祝日）ですね。当日の様子から、2週間後の感染者増加は予測できていました。折しも翌日が平日扱いに変わったので、ことのほか感染者が増えたものと思われます」と分析している。
陽性率31.24%
社会保険庁は先週（8月16日～22日）の全国レベルでの陽性率につき、保健省の公式発表数値29%を上回る31.24%と報告。「7万940件の検査により2万2165人が陽性と判定されました。陽性率は31.24%になります。州別ではロレト（71.76%）、ランバイエケ（58.46%）、アマソナス（54.82%）がワースト3です」と注釈した。
年齢層別陽性率（8月16日～22日）
| 年齢層 | 陽性率 | |
| 子供 | （12歳未満） | 35.43% |
| ティーンエイジャー | （12～17歳） | 31.57% |
| 若年層 | （18～29歳） | 28.10% |
| 壮年層 | （30～59歳） | 31.00% |
| 高齢者 | （60歳以上） | 34.19% |
| 全年齢層平均 | 31.24% |
(ソース: Gestión 26/08/20)
ペルー国家緊急事態発令164日目
8月26日0:00ペルー保健省（MINSA）発表COVID-19関連国内統計
- 感染者数累計 613378人（前日比+5996）
- 死者数累計 28124人（+123）
- 既検査数累計 3055850件（+23106）
- 陽性率 20.07%↑
- 死亡率 4.585%↓
- １日の検査数 23106人（-2645）
- １日の感染者数 5996人（-728）
- １日の陽性率 25.95%↓
- 入院患者数 13051人（+101）
- 上記の内ICU患者数 1512人（-10）
- 回復患者数 421877人（+7300）
過去一週間の一日当り感染者数推移（カッコ内は死者数）
- 8月26日 5996人（123）
- 8月25日 6944人（188）
- 8月24日 6112人（150）
- 8月23日 9090人（210）
- 8月22日 9169人（208）
- 8月21日 9008人（211）
- 8月20日 8639人（200）
- 直近7日間平均 7851.1人↓（184.3↓）
- 直近7日間の陽性率 26.96%↓ ※累計比
(ソース: MINSA 8月26日)