新型コロナウイルスのパンデミック発生以来、政府に投げかけられている疑問のひとつが「決め手に欠けるコロナ対策」だ。この点に関し保健省のフアン・ルイス・エレラ管理局長は、戦略はあるものの見直しが必要との見方を示している。
マスクの着用や社会的距離の維持も大切だが、健康とは単に個人の権利として考えるだけでなく、そこには義務や責任も伴うという個々の意識改革が最も重要だと局長は述べ、そのために政府は広報活動を積極的に見直し現行プランの強化を図る予定としている。
局長はまた、人間の寿命を蝕む直接の原因は不適切な習慣や不摂生、すなわち健康を損ない衛生上のリスクを生む生活様式だとした上で、「これらのコントロールについては現政権だけの問題ではありません」「他のどの国も成し遂げていないように、ペルー保健省にとってもこの疫病そのものを制御できないであろうことは明白です。政府が進めるのは、ウイルスの封じ込めを含めたリスク管理という意味でのコントロールです」とTV番組で説明した。
医療サービスの現状
「ホスピタリティだけでなく、高度医療の分野でも致命的ですね。400以上の医療施設を抱えるリマ首都圏ですら、総合的な医療サービスの提供が可能と保証できるところは3割もありません。地方へ行けばなおさらです」この国の医療サービスの範囲とそのアクセスには限りがあると局長は認めている。
局長はまた「隠すつもりはありませんよ」と前置きし、高度医療に対応する人的資源の不足を指摘。ロレトやランバイエケでそのようなケースが見られるものの、できる限りの努力は尽くしていると強調した。
「首都圏以外でもあまねくスタッフを募集をしていますが、地方の労働市場には採用に値する人材がいません」局長はこのことが限られた医療機器による共同作業や人材募集の縮小につながったとした上で、各地方政府や他省と連携の上すでに現地に立脚した対応を進めていると注釈した。
累計感染者数60万人突破、死亡者総数は減少傾向
保健省による24日午前零時現在のCOVID-19累計感染者数は60万438人(前日比+6112人)、累計死者数は2万7813人(同+150人)。一方、全国死者数統計(Sinadef)に基くペルーの死者数(超過死亡含む総数)は1~3月の平均で685人/日、8月初頭に1000人/日に達して以来減少に転じ、現在は800人/日を下回っている。
(ソース: Gestión 25/08/20)
超過死亡も減少続く
元保健省COVID-19感染予測グループの一員で経済学者のファリド・マトゥク氏は25日、8月8日から23日にかけ、全国の超過死亡が各週比で25%減少したと自身のTwitterアカウントを通じ報告した。
超過死亡8月24日(2020年1~2月基準)
ペルー国家緊急事態発令163日目
8月25日0:00ペルー保健省(MINSA)発表COVID-19関連国内統計
- 感染者数累計 607382人(前日比+6944)
- 死者数累計 28001人(+188)
- 既検査数累計 3032744件(+25751)
- 陽性率 20.03%↑
- 死亡率 4.610%↓
- 1日の検査数 25751人(+4540)
- 1日の感染者数 6724人(+5000)※当該日以前の感染者220人を除く
- 1日の陽性率 26.97%↓( 26.11%↑)※カッコ内は当該日の感染者のみ
- 入院患者数 12950人(-417)
- 上記の内ICU患者数 1522人(-3)
- 回復患者数 414577人(+7276)
過去一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)
- 8月25日 6944人(188)
- 8月24日 6112人(150)
- 8月23日 9090人(210)
- 8月22日 9169人(208)
- 8月21日 9008人(211)
- 8月20日 8639人(200)
- 8月19日 9099人(176)
- 直近7日間平均 8294.4人↓(191.9↑)
- 直近7日間の陽性率 27.16%↓ ※累計比
(ソース: MINSA 8月25日)