ペルー6月GDP▲18.06% コロナ影響続く

国立情報統計庁(INEI)は15日、ペルーの6月GDPを前年同月比▲18.06%と発表した。

コロナ禍による4月(▲39.30%)と5月(▲32.72%)のGDP急落後、6月は計56業種におよぶ第2段階と第3段階の経済活動再開が相次ぎ、下落率は前月比で14.66㌽回復した。1~6月および年率ではそれぞれ前年同期比で▲17.37%と▲7.25%。

6月は内需を支える家計消費の落ち込みが小売(▲31.76%)などに反映、同じく建設投資(▲44.64%)も後退し、外需も伝統的・非伝統的産品の双方で30.54%下落した。

単月GDPの82%は、商業、建設、運輸・倉庫・通信、ホテル・レストラン、鉱業・炭化水素、対企業サービス、製造業、電力・ガス・水道のの8セクターで占められている。主要セクター別の概要は以下のとおり。

2020年6月GDPセクター別概要

ペルー2020年6月GDP 前年同月比▲18.06%

農牧 ▲1.61% 

農業(▲1.72%)は綿花(▲73.4%)、ブドウ(▲60.9%)、白トウモロコシ(▲31.3%)、黄色トウモロコシ(▲22.4%)、コーヒー豆(▲12.4%)、ジャガイモ(▲3.8%)などの収穫量が播種の縮小や地域的な気温の低下で減少。牧畜(▲1.36%)は牛(▲4.7%)、アルパカ(▲4.0%)、羊(▲3.5%)、鶏(▲1.5%)の4項目すべてにおいて後退した。

漁業 +48.05%

魚粉や魚油など間接食用魚介の漁獲量(133万1000㌧)が前年同月比で95.9%増加し海面漁獲(+51.07%)に貢献、一方で鮮魚(▲39.0%)、製缶用(▲28.8%)、冷凍(▲28.2%)などの食用漁獲(▲33.02%)は減少、内水面漁獲(▲6.64%)も下落。

鉱業・炭化水素 ▲14.44%

鉄(▲57.6%)、金(▲46.0%)、銀(▲17.5%)、鉛(▲16.0%)、錫(▲14.3%)、銅(▲9.1%)などが振るわず、モリブデン(+3.5%)と亜鉛(+2.7%)が健闘も鉱業は▲13.55%。炭化水素(▲19.69%)は原油(▲40.1%)、天然ガス(▲25.8%)、液化天然ガス(▲3.3%)が後退。

製造業 ▲6.83%

消費財(▲15.05%)、中間財(▲6.61%)、資本財(▲65.83%)すべてが伸びず非一次産品は▲13.40%。一方、一次産品(+8.57%)では水産加工(+70.36%)と製糖(+10.25%)が上昇、食肉加工(▲2.04%)、貴金属(▲12.62%)、石油精製(▲60.92%)が下落。

電力・ガス・水道 ▲10.57%

電力(▲12.40%)とガス(▲10.12%)が後退、水道(+2.23%)は上昇。発電分野は火力(▲28.93%)が下落、水力(+1.27%)と再生可能エネルギー(+8.12%)は増加。ガス分野は車両用天然ガス(▲48.2%)、法人向け(▲17.2%)、発電用(▲6.5%)が減少。水道分野はSedachimbote(+8.2%)やEPS Grau(+6.3%)、Sedapal(+2.6%)などの上下水道公社が好調。

建設 ▲44.64%

脆弱な内需(▲32.82%)と公共事業進捗遅延(▲84.54%)を背景に建設セクターは伸び悩み。経済活動再開第2段階の開始に伴う承認済民間投資および官民連携投資プロジェクトの着工で内国セメント消費はマイナス域ながらも健闘。公共事業進捗率は中央政府(▲88.0%)、地方政府(▲86.9%)、地方自治体(▲81.2%)の政府3レベルすべてにおいてマイナス、道路・橋梁インフラや学校・病院の建設、上下水道整備、防災事業などで遅れが顕著に。

商業 ▲27.98%

経済活動再開第2段階における四輪・二輪販売修理やスポーツ専門用品の小売、家具調度卸売、家財修繕、金属・鉱物卸売などの再始動に伴い、卸売(▲26.19%)、小売(▲31.76%)のほか車両販売・修繕(▲28.86%)分野で下落幅が縮小。

運輸・倉庫・通信 ▲44.23%

運輸は▲48.23%、うち空運(▲93.39%)は旅客および貨物輸送の双方で激減、鉄道輸送(▲52.28%)と陸上輸送(▲32.53%)の不調を受け陸運・パイプライン輸送(▲32.43%)も振るわず、同様に海運(▲25.24%)も下落。郵便・電信(▲46.10%)および倉庫・物流(▲29.12%)も落ち込み、倉庫・通信分野は▲30.46%の後退。

ホテル・レストラン ▲84.35%

ホテル(▲98.09%)・レストラン(▲82.30%)両分野共に著しく低迷。後者は新型コロナウイルス感染拡大による店舗の閉鎖および営業活動の停滞、デリバリーサービス再開遅延、営業時間の制限などが影響。主にセビチェリア(セビーチェ専門店)、ポジェリア(鶏の炭火焼専門店)、チーファ(ペルー風中華)、カフェレストラン、ファストフードを中心にレストラン経営(▲85.18%)は後退、ケータリングサービス(▲98.56%)や飲料サービス(▲93.24%)も急減。国立救急病院関連の配膳契約サービス(▲68.10%)は他に比べ下げ幅に若干の余裕。

遠隔通信・その他情報サービス +4.43%

好調な固定電話(+14.3%)およびインターネット接続・契約放送サービス(+12.0%)が遠隔通信分野(+12.87%)を牽引、コンテンツ制作や放送の中止・削減による映画(▲81.7%)の不調や出版活動(▲66.2%)の低下、TV・ラジオ番組(▲46.5%)の低迷などに伴うその他情報サービス分野(▲38.69%)の落ち込みを補い全体ではプラス域に。

金融・保険 +15.51%

運輸・倉庫・通信や商業、農業・狩猟、建設、不動産賃貸・コンサルティング、電力・ガス・水道、製造業などを中心に法人向け貸付(+22.43%)が増加、抵当融資(+4.19%)および消費者金融(+1.09%)も貢献。当座預金と普通預金の残高(+21.12%)が増えた半面、定期預金とCTS(退職一時金給与積立金)は減少。

対企業サービス ▲35.77%

旅行代理店・ツアーオペレーター(▲95.9%)、科学・技術・専門分野(▲37.1%)、広告・市場リサーチ(▲33.8%)、管理部門アウトソーシング・業務委託(▲24.4%)がいずれも伸びず。

行政・治安維持 +3.71%

防衛・治安(+3.9%)、社会保険(+3.8%)、行政サービス(+3.7%)が伸長。単月ではCOVID-19の診断や対策、救急対応などを担う保健セクターを始め、公共、司法、教育、法務人権、農業灌漑、女性・社会的弱者、運輸通信、会計監査各省庁関連セクターの活動が目立った。

(ソース: INEI 15/08/20)

COVID-19死亡疑い例1万138人に増加

保健省国立感染症センターは17日、全国死者数統計(Sinadef)に計上された新型コロナウイルス感染症由来の死者数見直しを通じ、新たに2719人の”疑い例”を追加した。

同センターは今月6日、COVID-19の公式累計死者数1万9614人に加え、7419人の同疑い例を初めて公表。今回の追加を合わせ、ペルーのCOVID-19死亡疑い例は1万138人に増えた。

17日現在で疑い例の多い州は、リマ(2408人)、ピウラ(1637人)、ロレト(1339人)、カリャオ(1014人)、ラ・リベルタ(711人)、ウカヤリ(675人)、ランバイエケ(449人)、アンカシュ(421人)、イカ(385人)、トゥンベス(208人)など。死亡率(COVID-19致死率)ワースト1位はモケグア(30.8%)、2位はマードレデディオス(13.9%)。

(ソース: Gestión 18/08/20)

ペルー国家緊急事態発令156日目

8月18日0:00ペルー保健省(MINSA)発表COVID-19関連国内統計

  • 感染者数累計 549321人(前日比+7828)
  • 死者数累計 26658人(+177)
  • 既検査数累計 2818943件(+25329)
  • 陽性率 19.49%↑
  • 死亡率 4.853%↓
  • 1日の検査数 25329人(+5127)
  • 1日の感染者数 4565人(+2328)※当該日以前の感染者3263人を除く
  • 1日の陽性率 18.02%↑
  • 入院患者数 14092人(-89)
  • 上記の内ICU患者数 1527人(+3)
  • 回復患者数 374019人(+3302)

過去一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)

  • 8月18日 7828人(177)
  • 8月17日 5547人(200)
  • 8月16日 10143人(206)
  • 8月15日 9507人(219)
  • 8月14日 8300人(208)
  • 8月13日 9441人(3935)
  • 8月12日 8875人(212)
  • 直近7日間平均 8520.1人↑(736.7↓)
  • 直近7日間の陽性率 28.90%↑ ※累計比

(ソース: MINSA 8月18日)