ペルー首相府(PCM)は12日、ロックダウンの緩和とスポット封鎖の適用および拡大、ならびに国家緊急事態発令期間の延長に関する既出の複数大統領令を改定する大統領令第139-2020-PCMを官報にて公布した。
今回の改定は国内における新型コロナウイルスの感染再拡大傾向を受けた措置で、緊急事態宣言の延長(7月31日まで)とロックダウン緩和を定めた第116-2020-PCM、ならびに同宣言の再延長(8月31日まで)とスポット封鎖適用地域の拡大に関する第129-2020-PCMと第135-2020-PCMの内容を変更するもの。主な内容は次のとおり。
大統領令第139-2020-PCM概要
第1条 大統領令第129-2020-PCMおよび第135-2020-PCMにより改定された大統領令第116-2020-PCM第2条2.2項の変更
第2条 スポット封鎖
2.2項 附表に記載された地域に社会的強制隔離措置(スポット封鎖)を定める。これらの地域における人の移動は、生活に不可欠なサービスおよび財へのアクセスと同提供、ならびに当令施行時点で認可済の経済活動に関する諸サービスの提供を目的とする場合にのみ許可される。
附表: スポット封鎖適用地域
州 | 郡 |
アレキパ | 全域 |
ワヌコ | 全域 |
イカ | 全域 |
フニン | 全域 |
マードレデディオス | 全域 |
サンマルティン | 全域 |
アマソナス | バグア |
コンドルカンキ | |
ウトゥクバンバ | |
アンカシュ | サンタ |
カスマ | |
ワラス | |
アプリマック | アバンカイ |
アンダワイラス | |
アヤクチョ | ウアマンガ |
ワンタ | |
カハマルカ | カハマルカ |
ハエン | |
サンイグナシオ | |
クスコ | クスコ |
アンタ | |
カンチス | |
エスピナール | |
ラ・コンベンシオン | |
キスピカンチス | |
ワンカベリカ | ワンカベリカ |
アンガラエス | |
タヤカハ | |
ラ・リベルタ | ビルー |
パカスマヨ | |
チェペン | |
アスコペ | |
リマ | バランカ |
カニェテ | |
ワウラ | |
ワラル | |
モケグア | マリスカルニエト |
イロ | |
パスコ | パスコ |
プーノ | プーノ |
サンラモン | |
タクナ | タクナ |
第2条 大統領令第129-2020-PCMおよび第135-2020-PCMにより改定された大統領令第116-2020-PCM第3条3.1項の変更および3.5項の追加
第3条 移動の自由に関する権利の制限
3.1項 国家緊急事態宣言の発令期間において、第2条の附表に記載された地域を除く全国すべての市民に対し、月曜から土曜の午後10時から翌午前4時にかけ住居内での強制待機を命じる。附表の地域(スポット封鎖適用地域)における適用時間帯については午前8時から翌午前4時までとする。
さらに、全国すべての市民に対し、日曜終日ならびに翌午前4時まで住居内の強制待機を命じる。
住居内強制待機の適用は、食料品、衛生用品、医薬品の供給、金融サービス、レストランのデリバリーサービスの他、上下水道、電気、ガス、燃料、遠隔通信および関連活動、経済再開に伴う活動、運輸通信省が規定する公共交通機関のそれぞれに従事する必要最低限の人員を除く。また、薬局やドラッグストアは住居内強制待機期間中であっても関連規定を遵守の上営業することができる。
新聞社およびラジオまたはテレビ局のスタッフは、住居内強制待機期間中であっても、社員証、記者証および身分証明書の携帯を条件に移動することができる。当該認証の効力は、職務遂行上使用する車両等の移動手段にも及ぶ。
緊急の医療対応または、生命もしくは健康状態が重大な危機に直面し緊急に医薬品の購入を必要とする者の移動については、住居内強制待機措置の制限を受けないものとする。
3.5項 国家緊急事態発令中は、日曜日の自家用車使用を全国で終日禁止する。
第3条 集会の禁止
大統領令第116-2020-PCM第1条の定めに従い、現行の国家緊急事態発令延長期間中は、身体の自由および安全、住居の不可侵、集会の自由および、ペルー共和国憲法第2条第9、11、12項ならびに24項f(エフ)号に包括される国土における移動の自由に関する憲法上の権利が制限される。
その意味において、家屋内や他の家族を訪ねて行われるものを含む社会的集会については、衛生上の理由および新型コロナウイルス感染症への感染拡大を防ぐ目的からこれを禁止する。
第4条 大統領令第116-2020-PCM第7条の変更
大統領令第116-2020-PCM第7条を以下の条文のとおり改定する。
第7条 14歳以下の児童の感染防止措置について
14歳以下の児童は住居内に止まらなくてはならない。
精神衛生上の健康維持の必要性から、14歳以下の児童は次の条件下で日々散歩を行うことができる。
7.1項 同一家屋内に居住する成人1名を同伴すること。
7.2項 散歩の時間は最大30分とし、当該児童の自宅から500mを超えない範囲かつ人が密集しない場所に限るものとする。
7.3項 散歩中は常に他人と最低2mの社会的距離を保たなければならない。
第5条 大統領令第116-2020-PCM第8条の変更
大統領令第116-2020-PCM第8条を以下の条文のとおり改定する。
第8条 COVID-19ハイリスク群対象者
65歳以上の高齢者や、保健省の定める併存疾患を有す者など感染ハイリスク群に属す者については、緊急の医療対応または非常事態、介助人がいない場合の食料品や医薬品の購入および金融サービスの利用を除き、自宅から外出してはならない。
ハイリスク群に属す者は、自宅に訪問者を招き入れてはならず、屋外に出た人々との身体的接触も避けなければならない。
ハイリスク群に属す労働者は、リモートワークによる就業形態が優先される。認可済の活動範囲内における労働やサービスの提供にあたり自己の意志で参加する場合は、当令の施行日現在で公布済の諸規定および、衛生当局、地方政府ならびに国家労働監督局の各管轄における監査および監督行為に従うものとする。
第6条 副署
当大統領令は、首相、内務相、国防相、外務相、保健相、法務人権相、開発社会包摂相、労働雇用促進相、女性・社会的弱者相、通商観光相、運輸通信相、エネルギー鉱山相、農業灌漑相、環境相、文化相、経済財政相、住宅建設上下水道相、教育相により副署される。
2020年8月12日、リマの大統領宮殿にて
(ソース: El Peruano 12/08/20)
ペルー国家緊急事態発令151日目
8月13日0:00ペルー保健省(MINSA)発表COVID-19関連国内統計
- 感染者数累計 507996人(前日比+9441)
- 死者数累計 25648人(+3935)
- 既検査数累計 2677014件(+33550)
- 陽性率 18.98%↑
- 死亡率 5.049%↑
- 1日の検査数 33550人(+2685)
- 1日の感染者数 5069人(+648)※当該日以前の感染者4372人を除く
- 1日の陽性率 15.11%↑
- 入院患者数 13987人(+164)
- 上記の内ICU患者数 1525人(+24)
- 回復患者数 348006人(+6068)
過去一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)
- 8月13日 9441人(3935)
- 8月12日 8875人(212)
- 8月11日 6547人(225)
- 8月10日 5109人(204)
- 8月9日 7012人(228)
- 8月8日 7137人(195)
- 8月7日 8466人(225)
- 直近7日間平均 7512.4人↑(746.3↑)
- 直近7日間の陽性率 28.64%↓ ※累計比
(ソース: MINSA 8月13日)