保健省発表による8月10日午前零時現在の新型コロナウイルス国内累計感染者数は48万3133人、累計死者数は2万1276人。同省国立感染症センターのセサル・ムナイコ副理事長は、現在11州で感染拡大の兆候が見られると注意を促した。
うち6州は南部、4州は中部で残り1州は北部の州(下表参照)。「これら11州のう10州では7月に、カハマルカ州では6月に感染拡大が始まりました。フニンとワヌコについてはイカ(減少中)やアレキパ(感染ピークに到達済)と同時期に増加へと転じたものの、後者2州に比べその勢いは未だ衰えていません」とムナイコ氏は指摘している。
1か月半から2か月で減少へ
同氏はまた、これら11州の感染拡大は間もなくピークに達し、他州の例のようにその後減少に向かうと見ている。
「感染症センターでは,、感染者が実際に減り始めるまでおよそ1か月半から2か月かかると見込んでいます。人口密度が非常に低い地域ではウイルスの伝播がより遅くなることから、期間には地域差があります」
同氏はこのように述べ、遅くとも9月末か10月初旬には、これらの州でCOVID-19流行曲線が下降し始めると予測している。
これら11州のうち5州は、現在再生産数が上昇しているプーノやクスコなどを含む南部広域地方(Macroregión Sur)に属している。
事態を重く見たクスコのベナベンテ州知事は、新型コロナウイルスの感染拡大阻止に向け、同州により厳格な防疫封鎖措置を適用するよう中央政府に要請した。
流行曲線のピークと下降
一方、アレキパやアンカシュ、マードレデディオスの3州ではすでに感染がピークに達してはいるものの、いまだ感染者の多い地区を抱えているため、流行曲線の下降には至っていないと同氏は主張する。
「マードレデディオスでは感染者数が頭打ちになっており、理論上はすでに減少へと向かっていたはずなのですが、タンボパタなど複数の地区でいまだに感染が続いています」
さらに、ピウラやロレトなど残りの8州については、明らかに感染者数が減少していると説明した。
リマ首都圏の現況
リマ首都圏(リマ市43区とカリャオ特別州)に関しては、5月末から6月初頭にかけ感染者数がピークから下降へと向かっていたが、7月前半以降はわずかな増加が報告され始めているとし、同氏は警鐘を鳴らす。
同氏によると、先週はヘススマリア、プエブロリブレ、ミラフローレス、サンボルハ(写真)、サンイシドロ、リマック、エル・アグスティーノ、リマセントロ、ルリガンチョ・チョシカの9区で新たな感染者数の上昇が観測されているという。「区の人口にもよりますが、感染者の数は以前に比べ5~10%増えています」
また、プンタネグラやプンタエルモサ、サンバルトロを含むリマ市北部・南部周縁地区の一部でも、わずかな上昇が見られた。
各州のCOVID-19感染進行状況
州名 | COVID-19感染者数 |
モケグア | 増加中 |
タクナ | 増加中 |
パスコ | 増加中 |
プーノ | 増加中 |
クスコ | 増加中 |
アヤクチョ | 増加中 |
ワンカベリカ | 増加中 |
アプリマック | 増加中 |
カハマルカ | 増加中 |
ワヌコ | 増加中 |
フニン | 増加中 |
リマ | 僅かに増加 |
カリャオ | 僅かに増加 |
アレキパ | 感染ピーク到達 |
アンカシュ | 感染ピーク到達 |
マードレデディオス | 感染ピーク到達 |
イカ | 減少中 |
ロレト | 減少中 |
ウカヤリ | 減少中 |
ピウラ | 減少中 |
ランバイエケ | 減少中 |
ラ・リベルタ | 減少中 |
サンマルティン | 減少中 |
トゥンベス | 減少中 |
酸素需要逼迫、供給に限界迫る
産業ガス大手Plaxair社(医療用酸素国内シェア首位)のフリオ・カセレス代表は、全国の病院で医療用酸素の需要が逼迫し、製品の供給が限界に近付いていると警告した。
「COVID-19のパンデミック以前、国立エドガルド・レバグリアティ病院(ヘススマリア区)の医療用酸素消費量は8万~10万㎥/月でしたが、7月は34万4000㎥/月まで急増、国立ギジェルモ・アルメナラ病院(ラ・ビクトリア区)でも以前の5万3000㎥/月から7月は25万㎥/月まで増えています。滅茶苦茶な勢いです」
「国立カジェターノ・エレディア病院(サンマルティンデポーレス区)でも酸素需要は3万㎥/月から21万㎥/月(7月)まで激増しており、カリャオとピスコ、ワチパにある当社の3プラントをフル稼働して供給に取り組んでいます」とカセレス代表は訴え、この先数か月間における医療用酸素需要への対応につき、具体的な戦略を含んだ調整を保健省に要請している。
(ソース: Gestión 11/08/20)
ペルー国家緊急事態発令149日目
8月11日0:00ペルー保健省(MINSA)発表COVID-19関連国内統計
- 感染者数累計 489680人(前日比+6547)
- 死者数累計 21501人(+225)
- 既検査数累計 2612599件(+22521)
- 陽性率 18.74%↑
- 死亡率 4.39%↓
- 1日の検査数 22521人(+6134)
- 1日の感染者数 3345人(+1282)※当該日以前の感染者3202人を除く
- 1日の陽性率 14.85%↑
- 入院患者数 13775人(-33)
- 上記の内ICU患者数 1496人(+12)
- 回復患者数 335756人(+6352)
過去一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)
- 8月11日 6547人(225)
- 8月10日 5109人(204)
- 8月9日 7012人(228)
- 8月8日 7137人(195)
- 8月7日 8466人(225)
- 8月6日 7785人(196)
- 8月5日 7734人(221)
- 直近7日間平均 7112.9人↓(213.4↑)
- 直近7日間の陽性率 28.88%↓ ※累計比
(ソース: MINSA 8月11日)