ペルー保健省は9日、新型コロナウイルス感染症による1日の死者数をパンデミック宣言以来最大の228人と発表。マセッティ保健相は当件に関し、危機的な状況であり不安を覚えるとTV番組で話した。
7月1日の外出制限緩和を機に感染者が急増しているのは明白とした上で、同相は先日の全国死者数統計(Sinadef)発表数値に言及、疑い例を含めたCOVID-19死者数が今後最大で4万7000人に達する可能性があると警鐘を鳴らす。
※8月7日時点の人口10万人当りCOVID-19死者数国別世界ワースト3は、ベルギー(86.33)、英国(70.08)、ペルー(65.16)。さらなる死亡者の見直しによりペルーのCOVID-19公式死者数が2万8500人程度まで上昇すれば、計算上ではペルーがベルギーを抜き世界ワースト1になる(各国数値はrtve.esから筆者が引用)。
国内移動には制限も
同相はまた、陸路と空路による長距離移動の再開に伴い、以前はコントロールできていた地域での感染再発が統計上にはっきりと表れていることから、国内移動を再び制限する意向を示すと共に、旅行先の目的地が新型コロナウイルスの感染拡大地域である場合には、より厳しい規制を設けるべきと主張した。
レストランやサッカー騒動への対応
レストランのホール営業での最大定員制限を現在の40%から20%まで強化する必要があるかとの質問に対し同相は賛同、感染を防ぐため換気効率の良いオープンカフェスタイルで接客すべきだろうと回答した。
また、先週末のサポーター騒動に関しては、ウニベルシタリオ・デ・デポルテス(※リマ本拠のサッカークラブ)の時のような騒ぎがこの先も続くならば、リーガ1のトーナメントは中止せざるを得ないとしている。
日曜終日外出禁止令の再適用とスポット封鎖拡大
同相はさらに、欧州各国での成功例を根拠として、日曜の終日外出禁止再適用は感染者数を抑える目的から理にかなっているとし、現行の夜間外出禁止開始時間の繰上げやスポット封鎖適用地域の拡大で対応する構えを見せている。
他にも同相は、駐秘イスラエル大使館から医療用酸素提供の申し出を受けたことを明かし、「政府間による(医療用酸素の)取引は興味深い案です」とコメントした。
COVID-19再生産数リマ市で再び上昇
リマ市における6月末のCOVID-19再生産数(1人の感染者から単位時間で生じる2次感染者数の平均値)は0.7~0.8で、当時は感染拡大への分岐点となる1.0を下回っていた。
情報科学者のラヒ・ブルム氏は、8月6日時点で同数値が1.59まで上昇していると警告。「サンフアンデルリガンチョやアテ、コマスなどの区で再生産数が増えています。リマセントロやヘススマリアでは下降気味ですが、全体的には上昇傾向にあります」とTV番組で指摘した。
ビスカラ大統領は7月第1週、全国25州で再生産数が1.0を割り込んだと発表。しかし1か月後の現在(8月6日時点)は、クスコ(1.71)、タクナ(1.67)、アレキパ(1.60)、アプリマック(1.55)、カハマルカ(1.46)、アンカシュ(1.33)を始めとするすべての州で1.0を上回っているという。
ブルム氏は「再生産数は国内すべての州ですでに1.0を超えており、いくつかの州では2.0に近づきつつあります」と注意を促した。
(ソース: Gestión 10/08/20)
ペルー国家緊急事態発令148日目
8月10日0:00ペルー保健省(MINSA)発表COVID-19関連国内統計
- 感染者数累計 483133人(前日比+5109)
- 死者数累計 21276人(+204)
- 既検査数累計 2590078件(+16387)
- 陽性率 18.65%↑
- 死亡率 4.40%↓
- 1日の検査数 16387人(-8865)
- 1日の感染者数 2063人(-1404)※当該日以前の感染者3046人を除く
- 1日の陽性率 12.59%↓
- 入院患者数 13808人(+40)
- 上記の内ICU患者数 1484人(-4)
- 回復患者数 329404人(+5384)
過去一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)
- 8月10日 5109人(204)
- 8月9日 7012人(228)
- 8月8日 7137人(195)
- 8月7日 8466人(225)
- 8月6日 7785人(196)
- 8月5日 7734人(221)
- 8月4日 6790人(196)
- 直近7日間平均 7147.6人↑(209.3↑)
- 直近7日間の陽性率 29.05%↑ ※累計比
(ソース: MINSA 8月10日)