新型コロナウイルス感染症のパンデミックが続くなか経済活動再開へと舵を切ったペルーでは先月末、政府が緊急事態宣言の延長とスポット封鎖適用地域の拡大を発表。感染拡大を背景に、これらの封鎖地域以外でも社会的強制隔離措置(外出制限)の再適用を求める声が増えている。
市場リサーチ企業のDatum社が全国の成人男女1239人を対象に7月末実施したアンケート調査によると53%が外出制限の再適用に賛同、首都圏(54.7%)や国内中部(57%)を始め、現在スポット封鎖が行われている地域で賛成派が優勢に。一方、東部(ロレト、アマソナス、サンマルティン)では反対派(47.4%)が賛成派(46.4%)をわずかに上回った。
年齢層別では55~70歳(57.2%)および45~54歳(56.7%)に賛成派が多い。また、多くの地域で外出制限が緩和された6月30日以降に感染者数が増加したとする意見は56%に上り、特にリマ(60%)や国内中部(61%)、南部(65%)で顕著に。
政府対応の評価
政府が感染拡大をコントロールできていないとする回答は48%(中部53%、南部61%)で、部分的に制御していると考える層(44%)を初めて上回った。さらに、感染抑止に全力で取り組んでいるのは政府機関の一部のみと評価する層が、北部と南部を中心に全国で70%に達している。
政府情報の透明性
保健省による感染者数や死者数の公式発表が疑問視されている中、75%(中部78%、リマ76%)が政府の情報は透明性に欠けると回答した。
アンケート結果概要
政府の取り組み姿勢
政府当局やすべての政府機関が、COVID-19拡大に伴う国内の衛生危機に対し、それぞれの管轄において全力で取り組んでいると思いますか?
- 一部の組織のみ全力 70%
- すべての組織が全力 18%
- 全力の組織はない 10%
- 不明・無回答 2%
政府対策の実効性
政府による対策でCOVID-19拡大はコントロールできていると思いますか?
- できていない 48%(前月比+1㌽)
- 一部は制御できている 44%(前月比▲2㌽)
- 制御できている 6%(前月比±0㌽)
- 不明・無回答 2%
政府情報の透明性
COVID-19の感染者数と死者数に関する現政権の公式発表にどれくらい透明性があると思いますか?
- 全くない・少ししかない 75%
- 透明性がある・完全に透明 22%
- 不明・無回答 3%
外出制限緩和後の感染拡大
全国の大部分で外出制限が緩和された後の感染者数についてどう思いますか?
- 非常に増えた 56%
- 少し増えた 26%
- ほどんど変わっていない 14%
- 減った 3%
- 不明・無回答 1%
政府による地方支援
COVID-19の影響を受けた国内地方部への政府支援についてどう思いますか?
- 非常によく支援している 14%
- あまり支援していない 63%
- 全く支援していない 20%
- 不明・無回答 3%
バー・クラブの再開
COVID-19流行下でのバー・クラブ営業再開についてどう考えますか?
- 反対 92%
- 賛成 6%
- 不明・無回答 2%
外出制限の再適用
COVID-19流行下での外出制限(ロックダウン)再適用についてどう考えますか?
- 賛成 53%
- 反対 41%
- 不明・無回答 6%
(ソース: Gestión 05/08/20)
ペルー国家緊急事態発令143日目
8月5日0:00ペルー保健省(MINSA)発表COVID-19関連国内統計
- 感染者数 447624人(前日比+7734)
- 死者数 20228人(+221)
- 既検査数 2466745件(+26561)
- 陽性率 18.15%
- 死亡率 4.52%
- 入院患者数 13751人(-47)
- 上記の内ICU患者数 1419人(+1)
- 回復患者数 306430人(+3973)
- 感染者数男女比 男性55.8% : 女性44.2%
過去一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)
- 8月5日 7734人(221)
- 8月4日 6790人(196)
- 8月3日 4250人(197)
- 8月2日 6667人(206)
- 8月1日 7448人(191)
- 7月31日 7243人(196)
- 7月30日 6809人(205)
- 直近7日間平均 6705.9人↑(201.7↑)
- 直近7日間の陽性率 27.11%↑
(ソース: MINSA 8月5日)