7月22日(水)小学館 サライ.jpに 世界で最も成功した救出作戦を称える「チャビン・デ・ワンタル英雄博物館」―在ペルー日本大使公邸占拠事件の記憶― が掲載されました。
ペルーを、そして日本中を震撼させた1996年12月17日発生の「在ペルー日本大使公邸占拠事件」。4か月以上も公邸内に拘束された72人の人質を救出すべく実行されたのが、オペレーション・チャビン・デ・ワンタル(チャビン・デ・ワンタル作戦)でした。作戦のための極秘訓練が行われた公邸のレプリカは、現在「チャビン・デ・ワンタル英雄博物館」として一般に公開されています。
あの日館内を案内してくれたのは、現役兵士のニコル・マルシャ・カルワヤンキさん(20歳)。彼女は自分が生まれる以前に起こった“歴史上の事件”を、ハキハキと熱心に説明してくれました。実際にTNT爆弾を爆発させた痕や、突入に利用したトンネルの中も見学できます。ガイドはスペイン語のみなので、通訳を手配されることをお勧めします。
ただ説明の中で当時の政治事情や事件の背景についての解説は一切なく、軍の視点でのみ語られることが気になりました。館内に飾られた若いテロリストの写真について、カルワヤンキさんが「彼の遺留品は何も残っておらず、名前は分かっていません」と何の感情もなくさらりと言った時の、胸の奥に棘が刺さったような感覚は忘れられません。
MRTAのリーダー格以外は、アンデス出身の貧しい若者たちです。貧困から逃れたい一心だった彼らはテロ行為について疑問を抱くことなく、わずかな成功報酬につられたいわば素人。ましてや彼らはカルワヤンキさんと同世代です。ケチュア語姓をもつ彼女なら、アンデスの現状について多少なりとも知っているだろうに・・・と思わずにはいられませんでした。もちろん時代が違うと言われればそれまでですが。
恐らく彼女は入隊後、博物館勤務を命じられて初めてこの事件を知ったに違いありません。そして厳しい上司のもと、この作戦がいかに素晴らしく誉れ高いものであるかをみっちり叩きこまれたことでしょう。ある種の高揚感をもって「世界で最も成功した救出作戦です」と誇らしげに語る彼女を責めるつもりはありません。勝てば官軍負ければ賊軍。ただ勝者の視点でのみ歴史が語られることに、戸惑いを覚えずにはいられません。
ペルー国家緊急事態発令130日目
7月23日0:00ペルー保健省(MINSA)発表COVID-19関連国内統計
- 感染者数 371096人(前日比+4546)
- 死者数 17654人(+199)
- 既検査数 2158770件(+24995)
- 陽性率 17.19%
- 死亡率 4.76%
- 入院患者数 12985人(+164)
- 上記の内ICU患者数 1372人(+21)
- 回復患者数 255945人(+3699)
7月23日0:00現在州別感染者数
(*Clasificación de las regiones naturales se rige a la de INEI. / 地域区分は国立情報統計庁の分類に従う)
COSTA 286957人(+3106)
- リマ市 183475人(+2054)
- リマ郡部 14767人(+229)
- カリャオ 20184人(+122)
- トゥンベス 3856人(+22)
- ピウラ 20054人(+105)
- ランバイエケ 16122人(+99)
- ラ・リベルタ 13664人(+141)
- イカ 10437人(+124)
- モケグア 2200人(+103)
- タクナ 2198人(+107)
SIERRA 49980人(+1218)
- カハマルカ 4663人(+93)
- ワヌコ 5279人(+59)
- パスコ 1543人(+12)
- アンカシュ 10729人(+120)
- フニン 6366人(+96)
- ワンカベリカ 1351人(+35)
- アヤクチョ 3101人(+95)
- アプリマック 763人(+10)
- クスコ 3176人(+166)
- アレキパ 11504人(+492)
- プーノ 1505人(+40)
SELVA 34159人(+222)
- ロレト 10439人(+29)
- アマソナス 4369人(+57)
- サンマルティン 7271人(+85)
- ウカヤリ 9326人(+18)
- マードレデディオス 2754人(+33)
過去一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)
- 7月23日 4546人(199)
- 7月22日 4463人(3876)
- 7月21日 4406人(195)
- 7月20日 4091人(197)
- 7月19日 4090人(189)
- 7月18日 3963人(199)
- 7月17日 3951人(184)
- 7日間平均 4215.7人↑(719.9↑)
(ソース: MINSA 7月23日)