国立情報統計庁(INEI)は15日、ペルーの4月GDPを前年同月比でマイナス40.49%と発表した。
1~4月期は▲13.10%、年率では▲2.63%。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国家緊急事態宣言の発令で多くの経済活動が中断、家計消費を始めとする主要内需項目および供給安定性に影響と分析。小売(▲66.35%)、非耐久消費財輸入(▲8.63%)、建設投資(▲89.72%)の急減に加え、伝統的・非伝統的産品双方の輸出減少で外需(▲49.38%)も落ち込んだ。
セクター別では、商業、製造業、建設、鉱業・炭化水素、運輸・倉庫・通信、ホテル・レストラン、企業サービスの7部門が4月マイナス要因の82%を占める一方で、金融・保険、農牧、行政・防衛はプラス要因に。産業別では、一次(▲26.78%)、二次(▲66.69%)、三次(▲36.91%)共に前年同月比で後退した。
主要セクターの2020年4月GDP(前年同月比割合)は次のとおり。
農牧+0.57%
9か月連続の増加で、単月では農業(+0.39%)・牧畜(+0.95%)共に上昇。キヌア(+25.7%)、ブドウ(+21.4%)、ジャガイモ(+12.2%)、オリーブの実(+10.6%)、アスパラガス(+10.1%)、カカオ(+10.0%)、アルファルファ(+7.5%)、豚肉(+2.4%)、鶏肉(+2.0%)、鶏卵(+1.9%)、牛乳(+1.5%)が好調、綿花(▲55.6%)、アボカド(▲14.4%)、殻付き米(+14.3%)、コーヒー豆(▲11.1%)は不調。
漁業▲57.82%
食用海産物の漁獲減(▲63.42%)が影響、内訳は鮮魚(▲62.2)、缶詰(+57.8%)、冷凍(▲43.4%)、干物(▲34.7%)など。
鉱業・炭化水素▲42.29%
鉄(▲100.0%)、錫(▲100.0%)、亜鉛(▲86.3%)、鉛(▲84.1%)、銀(▲73.6%)、金(▲53.5%)、銅(▲34.7%)、モリブデン(▲10.7%)の減産で金属鉱業は▲47.26%。炭化水素(▲13.40%)も天然ガス(▲29.4%)、原油(▲14.8%)、液化天然ガス(▲3.0%)が影響。
製造業▲54.91%
消費財(▲55.05%)、中間財(▲72.81%)、資本財(▲98.74%)の急減で非一次産品(▲65.09%)は不調、一次産品(▲23.61%)も水産加工(▲83.3%)、石油精製(▲52.8%)、貴金属(▲8.7%)が落ち込んだ。食肉加工(+1.2%)と製糖(+7.1%)は上昇。
電力・ガス・水道▲25.58%
発電(▲29.53%)は火力(▲84.39%)、水力(▲11.06%)、太陽光・風力(▲0.40%)が不調。ガス(▲18.37%)は車両用(▲78.1%)、法人向け(▲34.1%)、発電用(▲6.3%)いずれの天然ガスも需要が減少。
建設▲89.72%
COVID-19による防疫封鎖措置で工事が中断、内国セメント消費(▲98.61%)の急減および公共事業出来高の低下(▲74.89%)が波及。道路・橋梁インフラ建設や学校・病院・医療施設の建築、上下水道などの基幹インフラを中心に、中央政府(▲47.7%)、地方政府(▲69.1%)、地方自治体(▲85.6%)の政府3レベルすべてで出来高が減少。
商業▲65.41%
卸売(▲61.40%)、小売(▲66.35%)、自動車販売・修理(▲93.66%)で後退が顕著。
運輸・倉庫・通信▲69.11%
運輸(▲75.30%)、倉庫・通信(▲51.59%)共に不調。空運(▲95.83%)、海運(▲76.34%)、陸運(▲67.50%)すべてが振るわず。陸運は鉄道(▲71.79%)も道路(▲68.86%)も減少、旅客(▲65.36%)・貨物(▲73.51%)共にマイナス。倉庫・通信は郵便(▲95.28%)と配送(▲47.25%)が共に不調。
ホテル・レストラン▲94.55%
ホテル(▲99.55%)・レストラン(▲93.78%)共に急減。政府による防疫封鎖措置の影響で、ファストフードやセビチェリア、カフェレストラン、ペルー風中華、鶏の炭火焼店を中心に売上が激減、バー(▲99.90%)やケータリング(▲96.50%)、各種飲食フランチャイズ(▲62.70%)も不調。
遠隔通信▲1.62%
テレコミュニケーション(+7.29%)が好調な一方、その他情報サービス(▲47.87%)が急減。後者はコンテンツのサブスクリプションおよび提供(▲85.4%)や出版サービス(▲74.9%)、TV・ラジオ番組(▲55.7%)、情報番組(▲10.3%)の減少が影響、テレコミュニケーションはインターネット・ケーブルTV契約配信(+9.9%)や電話(+6.4%)、データ通信(+2.8%)が伸びた。
金融・保険+4.60%
農牧、森林、運輸・倉庫・通信、製造、教育、電力・ガス・水道、商業、不動産セクターの法人向け貸付(+8.50%)および消費者金融(+6.39%)、抵当融資(+5.80%)の増加でプラス域に。普通預金や定期・当座預金など預金(+11.34%)増加の一方、退職時一時金積立(CTS)は減少した。
企業サービス▲61.75%
旅行代理店・ツアーオペレーター(▲94.5%)、科学・技術・専門分野(▲66.6%)、市場リサーチ・広告(▲61.1%)、管理部門アウトソーシング・業務委託(▲49.5%)が伸びず。当セクターは34か月連続伸長後、先月以降はマイナス成長に転落。
行政・防衛+3.62%
公共省、司法当局、首相府、女性・社会的弱者省、保健省(衛生部門)を中心に、中央政府・地方政府・地方自治体各組織への提供サービスが増加。COVID-19対策関連では社会保険庁や国防省管轄の活動が増えた。
(ソース: INEI 15/06/20)
ペルー全土封鎖 外出制限92日目
6月15日0:00ペルー保健省(MINSA)発表COVID-19関連国内統計
- 感染者数 232992人(前日比+3256)
- 死者数 6860人(+172)
- 既検査数 1376478件(+15639)
- 陽性率 16.93%
- 死亡率 2.94%
- 入院患者数 10295人(-2)
- 上記の内ICU患者数 1121人(+10)
- 回復患者数 119409人(+3830)
6月15日0:00現在州別感染者数
(*Clasificación de las regiones naturales se rige a la de INEI. / 地域区分は国立情報統計庁の分類に従う)
COSTA
- リマ 134008人(+1822)
- カリャオ 15955人(+148)
- トゥンベス 1975人(+38)
- ピウラ 14046人(+247)
- ランバイエケ 11394人(+118)
- ラ・リベルタ 7391人(+152)
- イカ 5534人(+78)
- モケグア 747人(+1)
- タクナ 611人(+4)
SIERRA
- カハマルカ 1314人(+35)
- ワヌコ 1527人(+33)
- パスコ 794人(+35)
- アンカシュ 6410人(+116)
- フニン 2680人(+54)
- ワンカベリカ 663人(+4)
- アヤクチョ 1171人(+14)
- アプリマック 351人(+3)
- クスコ 1449人(+13)
- アレキパ 5195人(+80)
- プーノ 585人(+19)
SELVA
- ロレト 7737人(+108)
- アマソナス 1179人(+9)
- サンマルティン 2826人(+72)
- ウカヤリ 6400人(+50)
- マードレデディオス 1050人(+3)
過去一週間の一日当り感染者数推移(カッコ内は死者数)
- 6月15日 3256人(172)
- 6月14日 4604人(190)
- 6月13日 4383人(190)
- 6月12日 5961人(199)
- 6月11日 5965人(206)
- 6月10日 5087人(165)
- 6月9日 4040人(167)
- 7日間平均 4756.6人↑(184.1↑)
(ソース: MINSA 6月15日)