ペルー首相府(PCM)は23日、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大に伴う国家緊急事態宣言につき、新たな措置の適用と共に同発令期限を6月30日まで延長する大統領令第094-2020-PCMを官報にて公布した。
COVID-19パンデミック下における国民の新たな社会的共存に向け制定された同令の第8条では、次のように一定の条件による自家用車の使用が認められた。
第8条 – 自家用車の使用
食料品、医薬品の調達および金融サービス利用目的での自家用車両の使用は、一台当たり一名とし、かつ居住地区内の移動に限り許可される。緊急の医療対応、または生命や健康状態が深刻な危機に晒され救急対応が必要な複数人の移送については、当令の付表に記すその他の活動の実施を目的とする使用と同様に、これを許可する。
また、国家緊急事態宣言発令期間における業務上のサービス提供を目的とする自家用車両の運行については、国防省ならびに内務省の認証を条件として許可される。
内務省および国防省は、未認証の当該自家用車両につき、レッカー移動による保管用車庫への移送を含む対応措置を適用する権限を有す。同様に、両省はそれぞれの省令を通じ、使用制限を含め、適切な評価に基く相応の補完措置を発令することができる。
(ソース: El Peruano 23/05/20)
BBCが指摘する5つの感染拡大要因
ペルーの新型コロナウイルス(COVID-19)感染者数はラテンアメリカ諸国で最多のブラジルに次ぐ2位。複数の専門家への取材を通じ、英BBCがその原因を探った。
政府による数々のウイルス封じ込め対策にも関わらず、ペルーの感染者数は目に見える形で増え続けている。これに関し、BBCは主な5つの要因を挙げた。
1. インフォーマル労働
ペルーでは、生産年齢人口の71%が非正規労働(法定賃金未満や法定労働時間未満の仕事)により日銭を稼いで暮らしている(※政府の規制が行き届かない)。
2. 食品宅配システムの欠如(脆弱な物流網)
ペルーの貧困層における冷蔵庫所有率はわずか21.9%で、多くは食品購入のため頻繁に外出せざるを得ない(※感染機会の増大)。
3. メルカド(伝統的小売市場)の混雑
リマ市の青果市場で行われた抜き打ち感染検査の結果、仲買人や小売業者など市場関係者の86%がCOVID-19ウイルスへの陽性反応を示した。
4. 銀行の混雑
政府支給補助金の受領目的で外出制限下の金融機関に顧客が殺到。
5. 多人数の家族と住環境
全国世帯調査(2019年実施)によると、貧困層の11.8%が一部屋に5人以上で寝泊まりしているという。手狭な住環境が社会的距離確保の妨げに。
(ソース: Correo 23/05/20)
ペルー全土封鎖 外出制限69日目
5月23日0:00ペルー保健省(MINSA)発表COVID-19関連国内統計
- 感染者数115754人(前日比+4056)
- 死者数3373人(+129)
- 既検査数788341件(+37815)
- 陽性率14.68%
- 死亡率2.91%
- 入院患者数7674人(+129)
- 上記の内ICU患者数909(+8)
- 回復患者数47915人(+3067)
5月23日0:00現在州別感染者数
COSTA
- リマ74037人(+2318)
- カリャオ8125人(+279)
- トゥンベス1032人(+305)
- ピウラ3812人(+191)
- ランバイエケ5836人(+146)
- ラ・リベルタ2793人(+111)
- アンカシュ2722人(+165)
- イカ1863人(-78)
- アレキパ2373人(+76)
- モケグア345人(+30)
- タクナ291人(+12)
SIERRA
- カハマルカ520人(+25)
- サンマルティン938人(+35)
- ワヌコ629人(+22)
- フニン1375人(+39)
- ワンカベリカ306人(+17)
- アヤクチョ498人(+19)
- アプリマック122人(+3)
- クスコ793人(+27)
- プーノ247人(+15)
SELVA
- ロレト3293人(+92)
- アマソナス437人(+38)
- パスコ288人(+12)
- ウカヤリ2775人(+123)
- マードレデディオス304人(+34)
(ソース: MINSA 5月23日)