4月27日から“別の外出制限”開始か?

外出制限35日目。ペルーはロックダウンから5週間が経過し、人々の生活スタイルや常識はすっかり変わってしまった。ペルー政府はコロナ禍に毅然と立ち向かっているけれど、脆弱な医療体制や貧困などもともと内包する問題が大きすぎて、上手くコントロールできていないように思う。

昨日の記者会見で「オンライン授業用端末84万台購入」を表明したビスカラ大統領は、合わせて「授業再開を延長する。開始予定の明確な日にちはない」と発表。5月4日から授業が再開されると思っていた教育者や親たちは、この言葉に強い衝撃を受けたようだ。

ペルーはロックダウン前の3月11日から、全国の公立私立学校すべてを休校している。富裕層の子弟が通う有名校は早々にオンライン授業を始めたものの、準備に手間取った私立学校は少なくなく、中間層以下の子供たちが通う公立学校に至ってはほとんど成す術がなかった。4月6日、ペルー教育省は幼稚園から中・高校までを対象にした遠隔教育プログラム「Aprendo en Casa(家で学ぶ)」をリリース。インターネットだけでなく、国営TVやラジオでも放送するというものだ。これにより、やっと公立の子供たちも遠隔授業を受けられるようになったわけだが、とはいえTVやラジオでの学びには限界があり、デジタル格差は拡大するばかり。だからこそのタブレット配布というわけである。

「期限なし」の言葉に、リマの父兄の間では本年度の授業はすべて遠隔授業で乗り切るつもりなのではという憶測が流れている。もし経済活動が再開されたら、誰が子供の勉強を見るのだろう?それ以前に親が文盲だったら?そもそもタブレットは機能するのだろうか?その日の食べ物欲しさにタブレットを転売してしまうのではないだろうか。

ペルー保健相は本日、「外出制限終了予定の4月26日後、“別の外出制限”が科せられるだろう」と発表。「ビスカラ大統領の声明通り教育分野(授業再開)は最も厳しいだろうが、それ以外の業界の事業再開のため、セキュリティー対策を講じていくだろう」と述べた(この後首相が、「26日後の件に関しては今週最終調整する」と答えたが)。これでまた国民の不満は膨れ上がるだろう。いずれにせよ、授業の再開はないとのこと。もはや遠隔教育プログラムの充実を願うしかない。

ペルー全土封鎖 外出制限35日目

保健省発表による4月19日0:00現在の国内感染者数は15628人(前日比+1208人)、死者合計は400人(+52)。感染者の州別内訳はリマ10877人(+643)、カリャオ1239人(+59)、アンカシュ251人(+34)、アレキパ192人(+46)、クスコ130人(+7)、ワヌコ83人(+19)、イカ141人(+17)、ラ・リベルタ232人(+21)、ランバイエケ671人(+29)、ピウラ420人(+76)、ロレト552人(+67)、マードレデディオス25人(+4)、フニン150人(+20)、サンマルティン94人(+13)、トゥンベス183人(+97)、カハマルカ61人(+9)、パスコ18人(+5)、アヤクチョ33人(+4)、タクナ35人(+7)、ワンカベリカ20人(+2)、アプリマック35人(±0)、モケグア30人(+2)、プーノ8人(+3)、アマソナス51人(±0)、ウカヤリ97人(+24)。既検査数は143745件(+7850)、陽性判定率は10.87%、死亡率は2.56%。1349人が入院中(うち167人はICU)、6811人が回復へ。

(ソース: MINSA 4月19日)