ペルーのビスカラ大統領は6日朝、国内初の新型コロナウイルス(COVID-19)感染者が確認されたと会見で発表した。
会見に同席したイノストロサ保健相は、「本日早朝、ペルー国内で一人目のCOVID-19感染者が確認されたことをお伝えします。この患者はスペインとフランス、およびチェコ共和国への滞在歴がある25歳の男性です」と述べ、政府は全国民の生活、衛生、ならびに完全性を保護する意向だと伝えた。
ビスカラ大統領は、中国における新型コロナウイルス発現の認識以来、ペルー国内では感染予防と感染疑い症例の検出およびその処置に向け、一連の迅速な対応が採られてきたと指摘。
「新型コロナウイルスはここ数週間、ヨーロッパ各国のみならず、エクアドルやブラジル、アルゼンチン、チリなどの周辺国を含め世界のあらゆる国へと広がりを見せており、ペルーでの発生も常に懸念されていた」と話した。
また保健省を通じ、前述の患者の容態は安定しており、医学的に見て“万全の体制”がとられていることを明らかにした。
大統領は「国民には平静を保つようメッセージを送りたい。落ち着いて、我が国における衛生機構の能力を信頼すると共に、保健当局や市民がこれまで行ってきたように、今後も予防措置を継続しなければならない」とし、団結と連帯を通じ極めて冷静に行動する必要があると訴えた。
さらに大統領は、すべてのペルー人の健康を守るという根本的な目的の達成にあたり、政府はあらゆる努力を惜しまないと明言。リマを始め各地域において、健康保険庁や国軍・国家警察の衛生部隊の他、関係各省庁や民間医療機関など各方面によるCOVID-19対策のリーダーシップを保健省が担うとした。
ペルーでは、新型コロナウイルス感染の監視や抑制、対応に関する体制の強化を目的とする「COVID-19 感染リスク準備・対応国家計画」が導入されたほか、空港や港湾、陸上ターミナルなど観光客の多い場所ではCOVID-19対策手順がすでに採用されている。
また、COVID-19感染疑いのある旅行者が航空機経由で入国する場合に備え、ホルヘ・チャベス国際空港(リマ国際空港)の傍に今月1日、移動式の緊急隔離用臨時施設が設けられた。
大統領は、COVID-19感染の制御、隔離施設の拡充、ならびに複数医療センターにおける医療スタッフ教育訓練強化のため必要な物資の供給は保証されており、これらすべての措置は国家衛生委員会とパンアメリカン保健機構がサポートしていると強調した。
(ソース: Andina 06/03/20)