外出制限も16日目を迎え、少なくともリマ新市街の市民生活はある程度落ち着いているように見える。私もただひたすら情報収集する日々の中で、最近はラテン各国の状態に目を向ける余裕が出てきた。
例えば今日現在のエクアドルの感染者数は2240人で、死者は75人。エクアドルの人口がペルーの約半分、日本の約13.5%であることを考えると、その被害の大きさが実感できるだろう。
エクアドル最大の感染流行地は、グアヤス州の州都グアヤキル。観光開発が進むグアヤキルの海岸エリアは、本来ならガラパゴス諸島クルーズを楽しむ人々で大いににぎわっているはずだ。その街角に今、自宅で亡くなった感染者の遺体が転がっているという。死者の中にはコロナ以外の死因も含まれるが、葬儀屋は感染を恐れて引き取りを拒否。行政の手もまったく足りず、家族は目の前で腐敗していく遺体の扱いに困り果て、泣く泣く遺棄せざるをえないという。これはホラー映画でも作り話でもなんでもない、赤道直下の国での現実だ。
今日からペルーは夜間外出禁止令の適用時間が拡大され、特に違反者が多いペルー北部の5州は4時間も繰り上げられる。そのうちのひとつトゥンベスは、エクアドルと国境を接する州だ。頼むから世界に目を向けて、そこで起こっている悲劇を自分の身に置き換えてほしい。誰も感染したくないし、させたくない。ましてや愛する家族を路上に捨てるなど、決してあってはならないのである。
ペルー全土封鎖 外出制限16日目
保健省発表による3月31日0:00現在の国内感染者数は1065人(前日+115人)、死者合計は24人(±0)。内訳はリマ799人(+81)、カリャオ25人(+1)、アンカシュ11人(±0)、アレキパ26人(+5)、クスコ26人(+1)、ワヌコ6人(+2)、イカ5人(±0)、ラ・リベルタ19人(+4)、ランバイエケ30人(+8)、ピウラ21人(±0)、ロレト58人(+5)、マードレデディオス1人(±0)、フニン17人(+4)、サンマルティン6人(+1)、トゥンベス10人(+2)、カハマルカ1人(±0)、パスコ1人(±0)、アヤクチョ1人(±0)、タクナ2人(+1)。既検査数は14463件(+1011)、陽性判定率は7.36%、死亡率は2.25%。190人が入院中(うち57人はICU)、394人が回復し自宅隔離中。
(ソース: MINSA 31/03/20)