ペルー外出制限 4月12日まで延長

ビスカラ大統領は3月26日午後、13日間の外出制限延長を発表した。すなわちセマナサンタ最終日の4月12日(日)まで現状維持ということだ。国民の多くがすでに予想していたことや、延長の是非について今日発表すると事前広報していたこともあり、今のところ大きな混乱や抗議行動は起こっていない。

ただ景気の更なる悪化は避けられず、政府は防疫封鎖措置に加え経済対策に追われている。税の優遇措置や法人所得税申告期限の延期、給与積立(CTS)の取崩しをS/2400ソルまで許可、月収S/1500以下の労働者に対する補助金拠出(収入の35%)を発表した。また最貧困家庭にボーナスS/380を支給、食糧等も配布しているが、この辺りは焼け石に水といった感じだ。富裕層は延長を好意的に受け止めているが、SNSには「もう貯金がない!」という中間層以下の悲惨なコメントが溢れている。それでも今は国民が一致団結して耐え忍ぶしかない。

一方、国境封鎖でペルー国内に取り残された外国人旅行者の出国も大きな問題だ。すでにいくつかの国が自国民の送還に成功、カナダは今日明日で約400人をペルーから脱出させる。日本人旅行者もクスコを中心にまだ多く取り残されており、在ペルー日本国大使館を始め関係者が必死に対応しているが、いかんせん日本への直行便がないだけにその調整には思いのほか時間がかかっているようだ。

国外から戻ってきたペルー人に対しても、14日間の外出制限が課せられている。その責務を完遂させるため、政府はペルーホテル協会に協力を要請。連帯支援を表明したリマ市内にある3~5つ星のホテル17軒が、本国に帰還したペルー人を受け入れている。コロナ危機によってすでに閉館していたにもかかわらず、帰国者受け入れのためだけに再開したホテルもある。しかもホテルランクに関わらず、宿泊費と食費などの最低費用は国の負担だ。にもかかわらず、待遇に不満をいう人は少なからずいるという。どこぞの例を思い出し、残念かつ不快な気分になったのは言うまでもない。

ペルー全土封鎖 外出制限11日目

保健省発表による3月26日0:00現在の国内感染者数は580人(前日+100人)、死者合計は9人(±0)。内訳はリマ453人(+84)、カリャオ15人(+5)、アンカシュ6人(+1)、アレキパ15人(+5)、クスコ10人(±0)、ワヌコ2人(±0)、イカ3人(+1)、ラ・リベルタ9人(+3)、ランバイエケ12人(±0)、ピウラ20人(+1)、ロレト18人(±0)、マードレデディオス1人(±0)、フニン11人(±0)、サンマルティン1人(±0)、トゥンベス3人(±0)、カハマルカ1人(±0)。既検査数は9219件(+1179)、陽性判定率は6.29%、死亡率は1.55%。58人が入院中(うち14人はICU)、うち13人が人工呼吸器を使用。

(ソース: MINSA 26/03/20)