コロナ感染拡大で国境封鎖や外出制限検討も

ペルー国内の新型コロナウイルス(COVID-19)感染者増加に伴い、政府複数セクター委員会担当官のデシルー・レオンは、状況が悪化した場合国境封鎖の検討もあり得ると伝えた。

担当官は、COVID-19ウイルスが外国からの流入のみに止まらずペルー人同士の感染期に移行しつつあるとした上で、感染防止策の第2段階としての国境封鎖の可能性に言及した。

「第2段階では様々な措置が検討されています。今は第1段階ですが、市中での感染が今後進行した場合、国境封鎖や外出制限の可能性を含む方策になるでしょう。公衆衛生の予防と徹底的なウイルス封じ込めに向け、さらに踏み込んだ措置です」と担当官はラジオ番組で述べた。

一方で担当官は、「国境封鎖は防疫対策の手順の中で検討される措置のひとつですが、順序としてはまだ先になります。状況が第2段階へと移行すれば合わせて検討する必要があるでしょう」と話し、今はまだその時期ではないことを示唆している。

また、欧州・アジア航空便の運航停止措置について、利用便の変更に際し各航空会社が課すペナルティ料金の徴収を制限すると担当官は発言。当件に関しては14日中に複数エアラインと協議の上決定される見通し。

「我々はいま公衆衛生緊急事態の最中にあり、この手の料金が徴収されることがあってはなりません。顧客はパンデミック宣言の前に航空券を購入しているので、これらの利用便変更の際現時点で追加料金が発生するべきではないと考えます」と強調した。

さらに担当官は、国立衛生研究所(INS)に一元化されていたCOVID-19ウイルスの感染検査に関し、保健省が本日(14日)以降、第1段階として国内9地域の研究施設にも検体検査の権限を委譲すると発表。

それぞれの地方における検査開始日は、イキトスとトゥンベスが14日、ラ・リベルタとクスコが16日、サンマルティンとピウラが18日、ハエンとウカヤリおよびイカが22日の予定。

(ソース: Gestión 14/03/20)

COVID-19対策その他の動向

運輸通信省は14日、 大統領令第009-2020-MTCの公布を通じ、ペルー国内の港湾における国際クルーズ船の受け入れを30日間停止すると発表。また、モンテネグロ農業灌漑相は15日、RPPラジオのインタビューで、ペルー国内における新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大阻止に向けた対策の一環として、政府が市民の外出制限を検討していると伝えた。

保健省発表による3月14日19時20分現在の国内感染者数は43人(リマ37人、アレキパ2人、クスコ1人、ワヌコ2人、イカ1人)、既検査数は1545件。

(ソース: El Comercio 15/03/20, MTC 14/03/20, MINSA 14/03/20)

追記その1(3月15日14時25分)

保健省発表による3月15日13時10分現在の国内感染者数は71人(リマ58人、カリャオ2人、アンカシュ1人、アレキパ2人、クスコ1人、ワヌコ2人、イカ1人、ラ・リベルタ1人、ランバイエケ1人、ピウラ2人)、既検査数は1822件。

(ソース: MINSA 15/03/20)

追記その2(3月15日20時30分)

ペルーのビスカラ大統領は15日午後8時(日本時間16日午前10時)からの公式会見で国家非常事態宣言を発令。15日間におよぶ空路・海路・陸路すべての国境封鎖、ならびに市民の外出制限を含む新型コロナウイルス感染拡大防止対策を発表した。