ペルーのモダンガストロノミーと文化人類学

先日、未来の教授くんに会った。東京大学大学院総合文化研究科で文化人類学を志す藤田周くんは、ペルーのモダンガストロノミーに対して学術的アプローチを試みている。単なる食文化としてだけでなくもっとその奥にあるもの、ペルー人の思考も含めての分析だ。

現在はペルーでフィールドワーク中。これまでCentralやMil Centro(クスコ)、Astrid y Gastonなど名だたるレストランの厨房に入り、調理やサービスを手伝うかたわら、さまざまな角度から調査を続けているという。ちなみにクリオージャ料理に使われる基本素材は、クミンなどのハーブまで含めどのレストランでも約55種類だとか。ちなみにその内訳は?日本やほかの国はどうなの?私自身もペルーグルメについて書く機会は少なくないので、それこそ興味深々である。

学問としての食文化研究とはいえ、2年近くペルーの厨房を見てきた彼は当然料理そのものについての見方も厳しい。ランチと一緒に注文した飲み物を一口飲んで、「このチチャ、発酵を促進させるために砂糖を大量に入れてますよね・・・」などとぽそり。ははは、すっかり職業病だね(追記:あとで確認してみたら、『北部のチチャはとうもろこしだけで作るのに対し、南部の伝統的なチチャはチャンカカなどを入れる』のだそう。なので『この店は南部を踏襲してるんだなぁ』と思ったんだそうな。ふふ、やっぱり職業病じゃん/笑)文字に落とすにはちょっと憚られる裏話もちらほらあった。予想の範囲ではあるが、ペルーあるある、やっぱりね、といった感じである。

苦労も多いだろうが、なかなか楽しそうなペルー生活でなによりだ。「好きなことができてありがたい」と言った時の笑顔がとてもよかった。こういう面白そうなテーマは、一日も早く書籍化してもらいたいな。私の見解は反映されるや否や?数年後の楽しみが一つ増えた感じで、ちょっと嬉しい。

藤田くんのinstaはこちら:shu.fujita