12月19日(木)月刊専門料理1月号・海外レポートのコーナーに 茶碗蒸しから昆布チョコまで、うま味の可能性は無限大。ペルー・カトリカ大学で「うま味講義」を開催 が掲載されました。
10月21日にPUCPで開催された「うま味講義」のレポートです。日本からは“うま味ママ”の愛称で知られるNPO法人うま味インフォメーションセンター理事の二宮くみ子氏と、LA CASA DI Tetsuo Otaの太田哲雄シェフ、Florilegeの川手寛康シェフが来秘。ペルーからはMATRIA Restauranteのアルレッテ・エウレルトシェフが参加し、それぞれの観点からうま味について語ってくれました。
1907年に池田菊苗博士によって発見された第5の味覚、“うま味”。日本人には昆布と鰹の出汁を飲んだ時の、あのじんわりと後を引く何とも懐かしい味といえばわかりやすいのではないでしょうか。うま味は野菜や肉類、魚介、海藻、干ししいたけなどさまざまな食材に含まれています。ペルー料理に欠かせないトウガラシやトマト、チーズもにもたくさん含まれていますよ。
今回一番興味深かったのは、日本人シェフとペルー人シェフの“うま味”の表現の仕方が対照的だったこと。多様な食材をふんだんに使い、うま味を“足し算”していくペルー料理と、計算された少数の食材(引き算)を効果的に合わせることで、洗練されたうま味を引き出す日本料理。デモで披露されたのは創作料理でしたが、作り手のお国柄が出ていて面白かったです。またうま味を上手に利用すれば塩分やカロリーを抑えつつ、満足感の高い料理を作ることができるというのも勉強になりました。家庭料理にこそ取り入れていきたいポイントですね。
デモ終了後の質問タイムでは、「グルタミン酸ナトリウム(MSG)についてどう思いますか?あなた(シェフ)たちはMSGを使いますか?」という質問がありました。「私はMSGを否定しません。私たちプロのシェフは食材が持つうま味を引き出しながら料理を作りますが、率直コストがかかります。MSGは天然由来のもので、身体には何の害もありません。適量を使うことが大切なのです」とエウレルトシェフ。二宮氏のうま味講義を受けた後ということもあり、納得感のある返答でした。
お料理が好きな方、美味しく健康的な食事を心がけている方には、ぜひご覧頂きたいうま味インフォメーションセンターのページ。日本語、英語、スペイン語版のfacebookもあります。またこちらのインタビュー記事も併せてどうぞ。文中にある「レイシズム(人種差別)」に、思わず深く頷いてしまうのは私だけではないと思いますが、皆さまいかがでしょうか?