10月13日(日)たびこふれに カーマニア垂涎の的!南米最大のコレクションを誇るペルー「ニコリーニ自動車博物館」が掲載されました。
ペルーにおける製粉業界の名門ニコリーニ。パスタや小麦粉でお馴染みですね。今回のたびこふれでは、ニコリーニ一族の長ホルヘ・ニコリーニさんが運営する「ニコリーニ自動車博物館」をご紹介しました。館内にはクラシックカーマニア垂涎のお宝がずらりと並んでいます。
かつてスペインによる南米支配の拠点だったリマは、「太平洋の真珠」と呼ばれるほど美しく発展した都市でした。隣国の例にもれず独立後の政治は不安定で治安もイマイチだったようですが、経済的には大いに発達。特にアメリカの庭として恩恵を受けた(要は経済支配)首都リマは、富裕層にとっての楽園でした。「当時のペルーは、世界15ブランドの自動車が輸入されていた南米唯一の国だったんだよ」ホルヘさんの誇らしげな言葉に、20世紀半ばのリマがどれほど活気にあふれた街であったかが容易に想像できます。
そんな華やかな時代は突然終わりを告げます。1968年。反帝国主義を掲げる軍事政権の誕生で海外からの輸入は完全にストップ。農地改革等で利権を失い、没落する名家もでてきます。生活のために自動車を手放すもの、車庫にしまいっぱなしのもの・・・そんなスクラップ寸前の自動車を買い求め、修理し続けたのがホルヘさんだったのです。
ホルヘさんのすごいところは、金持ちの道楽を超越した自動車愛の深さ。とにかく自動車が好きで好きでたまらない彼は、信頼できる職人を自前で雇用。博物館をオープンするずっと以前から、自分のレストア工場で貴重なコレクションを復活させてきました。世界に数多ある自動車博物館の中で、こんな人間味のあるストーリーが楽しめるところはまずないと思いますよ。オールドカーファン必見のニコリーニ自動車博物館。ぜひ足をお運びください!