10月第2金曜はクイの日 ペルーには4種類

10月第2金曜日は、ペルー農業灌漑省がクイ(テンジクネズミ)飼育の再評価およびクイ肉の消費促進に向け省令第0338-2013-MINAGRIで定めた「El Día Nacional del Cuy(全国クイの日)」。その飼育は全国80万以上の世帯で家計の一助となり、栄養価の高い肉は安定した食料源として日々の生活に貢献している。

国立農業研究所(INIA)の国家小動物プログラムによると、ペルーにはPerú(ペルー)、Andina(アンディーナ)、Inti(インティ)、Interracial(前記3種の交雑種)と称される計4種類のクイが存在し、それぞれ次のような特徴があるという。

ペルー種: わずか8週間で体重1kgまで成長する早熟種。食肉としての効率も良い。

アンディーナ種: 繁殖力があり一度に3~4匹の仔を産む。

インティ種: 成長性と高繁殖力双方の特徴を併せ持つ。

交雑種: 基本的に早熟で、体長・体重ともに比較的短期間で伸長する。

クイの品種改良には相当な時間が必要で、INIAの研究結果では35~45年かかる模様。国内でクイの飼育が最も進んでいるのは北部山地(カハマルカ、ランバイエケ、ラ・リベルタ)で、中部山地(フニン、パスコ、ワヌコ、リマ)や南部山地(アレキパ、アプリマック、クスコ、ワンカベリカ、イカ、モケグア、タクナ、プーノ)が後に続く。

クイはかねてより主に女性の手で飼育され、家族発展や家計の扶助に止まらず、自尊心の向上にも寄与している。ペルーは南米でクイ飼育人口が最も多い国であり、この動物の再評価に向けた研究も盛んだ。他にもエクアドルやコロンビア(パスト州)、ボリビア(コチャバンバ)のアンデス山地で飼われている。

各種のクイに現れる遺伝的素質の研究は、コロンビアの国家学習機関(SENA)を始めとする各種政府機関からの教育訓練や技術移転の要請にもつながった。1964年2月に設立された国家小動物プログラムの一部をなす「クイ・プロジェクト」を通じ、国立農業研究所はクイの調査における技術の進歩や経験の蓄積に貢献している。

ペルーにおけるクイの飼育・生産は高度に技術化され、他の国も遺伝的素質によるこれら4種の区別を認めている。また、ボリビアやエクアドル、コロンビアではペルー産クイの輸入が検討されている。

(ソース: Andina 09/10/19)