ペルー料理 次のターゲットは米国中間層

過去15年から20年の間にペルーが特に何かで認められたとするなら、それはグルメだろう。5年前には400店だったペルー人のレストランは今や5大陸で5000店に拡大し、ペルー料理の世界進出を裏付けている。

しかしこれに甘んじてはいけない。世界にはイタリアンレストランが20万店、日本料理店が6万店存在する。ペルーが誇る料理人ガストン・アクリオ(トップ写真)の言葉を借りれば、 このレベルに到達できるのも遠い夢ではない。

「誰かが耳元で『日本だからできたのさ。ペルーには無理だよ』とささやくかもしれない。でも彼らは、四、五十年前には決して考えられなかった寿司という生の魚を食べる習慣を、その知恵で売り込むことに成功したんだ」と、APEC中小企業サミットの席上でアクリオは述べた。

様々な挑戦が進んでいる。例えば、ドゥバイの5つ星ホテルにあるレストランの数は、フランス料理やイタリア料理よりもペルー料理の方が多い。

周辺諸国に目を向ければ、ペルーが世界の舞台で求めているものの答えがそこにあるだろう。アクリオは「文化的な問題でわだかまりの残る隣国チリでも、ペルーが世界レベルで期待する“(ペルー料理の)侵略”が静かに、そして澱みなく進みつつある」と話を続ける。

その証拠に、チリの中央市場では半数のスタンドがペルー産の食材を扱っている。「ペルーの食習慣はチリ人の食卓に深く入り込んでいる…チリのスーパーに行けばペルー産の食品が詰まった棚が見つかるんだ」とアクリオは指摘した。

問題は、いかにしてペルー料理の発展を加速するかだ。アクリオは「多くの国が自国料理を世界中に広めようとしているものの、いまだその域には達していない。しかし、その国の文化は窺い知れるようになった。世界最大の消費プラットフォームである米国中間層の注意を惹き、ペルーの文化的アイデンティティを送り込むことに注力しなければならない。結果は建設的で計り知れないものになるだろう」と結んだ。

(ソース:Gestión 28/08/19)