7月5日、海上自衛隊の練習艦「かしま」及び護衛艦「いなづま」が、ペルーのカヤオ港に寄港しました。海上自衛隊の遠洋練習航海は昭和32年以降毎年実施されており、幹部候補生の実地訓練に加え、寄港先である友好国との親善にも寄与しています。7日には練習艦「かしま」で艦上レセプションが開催されました。
珍しくすっきりと晴れた冬の夕刻、 日系人協会のお歴々やペルー住宅建設上下水道省大臣、ペルー国会議員、ペルー海軍の将校たちが続々乗船。土屋定之駐ペルー特命全権大使と梶元大介練習艦隊司令官が、来賓たちをにこやかに迎えました。会場となったかしまの後部甲板にはテントが張られ、料理長たちが腕によりをかけて準備した見事な料理がずらり。寿司や刺身、肉料理のほか、握り寿司や焼き鳥、天ぷらの屋台、もちろんあの海軍カレーもありました。
日没時間の17時57.5分、5名の自衛官によって自衛艦旗の降下が行われ、土屋大使と梶元司令官による挨拶の後、鏡割りが行われました。また海上自衛隊東京音楽隊所属のソプラノ歌手、三宅由佳莉さんによる日本とペルー両国の国家が独唱されました。“海自の歌姫”の名にふさわしいその歌声は、こちらのビデオをどうぞ。
会場はとても和やかな雰囲気。 幹部候補生たちが来場者に声をかけ、交流を深めていきます。私も何人かの若者くんたちと話しましたが皆とても礼儀正しく、また自衛官としての誇りが伝わってきました。その中で「船ごとに味が違うんですが、私はこのかしまのカレーが一番好きです」というある幹部候補生くんの言葉に興味津々。お忙しそうな水野料理長を無理やり捕まえて突撃インタビュー!「かしまの海軍カレーの美味しさの秘密は?」
『カレーのベースですか?市販のルーを使っていますよ。味の秘密は・・・出汁を丁寧にとるとか、あとはウスターソース、ハチミツとリンゴのピューレくらいですね。あまりあれこれ手を加えず、できるだけシンプルに作っています』
かしまのカレーは辛さ控えめ、ハチミツとリンゴとおっしゃっていただけあってとてもまろやかなお味でした。航海中に曜日感覚を失わないよう、毎週金曜日のランチに振舞われるという海軍カレー。あまり個性的だと飽きてしまいますが、このカレーはおふくろの味的なやさしさがあって、週一でも飽きることなく食べられそうでした。市販のルーを使っているというのには少々驚きましたが、いつもと同じ味を手早く大量に調理するためには必要なんでしょうね。それにしても美味しかったな~。あ~、もう一度食べたい!
このレセプションのほか、リマ日本人学校や日系校の子供たちを艦内見学に招待したり、テアトロでコンサートを行ったりと、ペルーと日系社会及び在留邦人とさまざまな交流を深めてくれた海上自衛隊の皆さん。ペルー移住120周年に相応しい、素晴らしい友好親善の機会となりました。令和元年度遠洋練習航海は5月21日~10月24日までの157日間、11カ国13寄港地。皆さんの航海の安全を心からお祈りいたします。