チリのアントニオ・ウォーカー農業相は先週リマを訪問し、ペルーの国民的蒸留酒「ピスコ」の原産地呼称使用に関する論争の解決策をグスタホ・モスタホ農業相に提案したと明かした。
「われわれの提案は、チリとペルーの二か国が互いに補完し合い、国際市場に対して双方の国による(ピスコの)原産地呼称を認めるというものだ。」チリの日刊紙Emolは、同相がモスタホ農業相への提案にあたりこのように言及したと伝えた。
また同相はインドやタイの例を挙げ、国際市場における積年のピスコ原産地論争で両国間に相当な額の経費が生じていると指摘。「それぞれの国でチリとペルーが揉めている。ピスコの生産国はペルーとチリだけなのに、互いに(余計な)金をかけている。世界中で論争を続けるのなら、むしろペルー産・チリ産それぞれのピスコの国際市場展開が係争化されないよう、互いに補完し合い認め合うほうがいいのかもしれない」と述べた。
さらに「これはペルー・チリ双方の国民にとって非常に繊細なテーマだ。しかしながら、われわれ両国はインドでもタイでも係争を重ね、相当な額を弁護士費用につぎ込んでいる。われわれは世界でたった2か国のピスコ生産国なのだ。両国の友好な関係を通じ、裁判に頼るよりもっといい方法でこの問題に決着をつけられると信じている」と話した上で、ペルー産のピスコ輸出を今以上に受け入れる余地があることを示唆した。
同相は最後に、今月モスタホ農業相(ペルー)のチリ訪問が予定されていることから、その際に(当件への)返事を期待していると付け加えた。
(ソース:El Comercio 03/03/19)