リマ市ミラフローレス区にある天野プレコロンビアン織物博物館で行われた、天野芳太郎生誕120周年記念切手発行式典と初消印の贈呈式に参加した。その記念すべき発行日は2019年2月14日。日本とペルーの架け橋たらんことを願い続けた天野氏らしく、El Dia de la Amistad(友情の日)が選ばれた。
土屋定之在ペルー日本国大使、Serpost理事長Enrique Prado López de Romaña、ペルー女流画家協会会長Blanca de los Ríos、天野博物館館長Mario Amano、彼の母であり天野芳太郎氏を支え続けた妻Rosa Amanoなど多数の関係者が出席。いくつもの祝辞が述べられた後、日付の入った記念印を押し交換するイベントが行われ、最後にマリオ氏の謝辞で式典は終了した。和気あいあいとした雰囲気の中、出席者はシャンパンやワインを手に歓談の場へと移った。
天野芳太郎氏は1898年7月2日生まれ。横浜での商いに成功した氏は海を渡り、パナマを拠点に中南米各地で幅広く事業を行った。第二次世界大戦中はスパイ容疑で逮捕され、資産没収や強制送還などさまざまな憂き目にあいながらも南米への想いが覚めることはなく、戦後再びペルーへ。実業家として精力的に事業を展開するかたわら、その生涯をチャンカイ文化を始めとするアンデス文明の調査研究にささげた・・・詳しくはこちらをどうぞ。
記念切手の世界に明るくない私にもなかなか興味深いイベントだった。天野芳太郎記念切手は1枚6.5ソレス(約215円)。これを未使用の状態で持っていることに価値があるのかと思っていたら、その記念切手に発行初日の消印が押されている封筒そのもののほうが、ある意味重要らしい(“初日カバー”という言葉も初めて知った)。確かに切手は発行枚数分(今回は5000枚)存在するけれど、初日の日付でしかも記念印は本当に限られている。まさにコレクター垂涎の的!私もこっそり押してくればよかったな~。
ペルー日本人移民120周年記念を迎える今年、4月3日の日本ペルー友好の日を前に行われた素晴らしいイベント。天野関係者の皆様おめでとうございます。吉日に相応しい意義ある式典でした。