それからというもの、風呂を使う前と後に床下を覗いてチェックした。おかしなことにシミのできる場所がその時々で少しずつ違う。フェリックスに訊ねると「水は隙間のあるほうに流れますからね」と。じゃなにかね?ペルーの水ってのは今日は右の隙間に、明日は左にって自由意志で流れるのかね?
周囲のタイルを割って古い浴槽を取り外し、水漏れ箇所を丁寧に探す。「ここから漏れてました」と切り取ったお湯の配管の一部を渡されたが、本当にそこだけかどうか心配だ。「他にも水漏れ箇所があるかもしれないから、どんどん掘って」と頼むのだけど、「大丈夫ですよ、secoですから!」の繰り返し。「今水を止めてるんだから、乾いてるに決まってるじゃない」とどこかで聞いたセリフを繰り返す私たち・・・本当に進歩がない。
翌日。我が家で作業中のフェリックスに、2階のカロリーナから緊急連絡が入った。聞くと2階の風呂場に新しい家具を取り付けようとした大工が、壁の中の配管に穴を開けて汚水が噴出したらしい。野次馬根性でフェリックスと一緒に見に行くと、そこらへんが水浸しになっており、カロリーナが半狂乱になっていた。あぁ、なんて気の毒な。
応急措置を済ませて我が家に戻ったが、しばらくしたらまたカロリーナから連絡が。今度はなんと1階の天井に問題が発生したという。再びフェリックスと一緒に1階へ行くと、キッチンの天井に大きなサリトレ(水漏れによるペンキの浮き)ができていた。うちのアパートは1階と2階以上の部屋の間取りがまったく違っており、1階のキッチンの上は2階の主寝室の風呂場にあたる。2階の風呂場に新しい浴槽を設置したのは・・・フェリックス、お前じゃないか!
それとは別に、1階のメイド部屋の天井にも黒いカビが発生していた。この部屋の上は来客用トイレだ。その下水管に亀裂が入ってのカビらしい。下水管・・・最悪。こんなにトラブルが立て続けに起こるのは、やっぱり2階の大改修工事のせいだと思うんだけどねー。それでもみんな「コンクリートで固めてあるから大丈夫」って言うのよ。フェリックス、あんたは2階の工事に思いっきりかかわってるよね?カロリーナお墨付きのガスフィテロ、本当に大丈夫かしらん。