代替納税公共事業を考古学調査に初適用

ラ・リベルタ州のエル・ブルホ遺跡が、考古学調査としてはペルー初の代替納税公共事業※実施対象となる。当プロジェクトに出資するウィーセ財団の責任者、イングリッド・クラウデが発表した。

同財団のスポークスマンによると今回の調査対象は3か所で、2か所はモチェ文化、残り1か所はプレセラミック文化(紀元前8000~3500年頃)以降のものという。

エル・ブルホ遺跡は10年以上前にセニョーラ・デ・カオのミイラが発見された場所。いままでに調査された部分はわずか5%でその多くが手付かずと指摘、「以前ここは2つの丘に挟まれた不毛の草原でしたが、今では年6万人以上が訪れる観光名所になっています」と話す。

セニョーラ・デ・カオ
セニョーラ・デ・カオ

ウィーセ財団は、企業家ギジェルモ“パンチョ”ウィーセの発意により考古学者レグロ・フランコを支援、28年前にこの遺跡の調査を開始した。フランコ氏は現在も調査を担当、財団は適宜政府と調整の上発掘を続けているとした。

同財団がエル・ブルホを始めとする考古学遺跡の調査に関わるのには、2つの目的がある。ひとつは新たな発見に基づく知識の普及、もうひとつは地元住民の生活向上であり、少し前にはトルヒーヨ(ラ・リベルタ州の州都)で国際考古学会議も後援している。

その一方で、20人以上を当プロジェクトに直接雇用し、他にも地域住民のアイデンティティ獲得や自尊心の向上、観光客数の増加に寄与していると説明した。

(ソース: Andina 01/10/18)

※代替納税公共事業(Obras por Impuestos): 民間企業の出資により公共機関(地方政府・地方自治体・中央政府)が実施する公共事業のこと。企業は投資した金額を法人税の支払に充当できる。官民連携投資(PFI)事業とは意味が異なる。