Feliz día a todas las madres del mundo!! どんより曇り空にもかかわらず、通りにあふれる真っ赤なバラや風船のおかげで、いつもより明るく華やいだ雰囲気のリマ。「今日はぜったいキッチンには立たないわよ」と宣言した女たちが、家族の先頭を切ってカフェやレストランに入っていく。スーパーの客もいつになく男性比率が高い。「少なくとも今日一日は、黙ってこいつの後をついて回るのが得策」と悟っているのだろう、男性たちはいつも以上にcaballero(紳士)だ。
そんな活気あふれるスーパーWongから外に出ると、ちょうど店の外でデモ隊による抗議が始まったところだった。WongやMetroを運営するCencosud社に対する賃金アップ要求のデモ。「我々は正当な報酬を要求しているだけです。しかし会社側は我々と対話しようとしない。だからここで訴えるのです」うんうん、いたってまともな要求だね。で、一体いくらもらっているんだろう?
このデモの様子を携帯で録画していたレジ係っぽい女性に、「ねぇねぇ、そんなに給料低いの?」と聞いてみた。ちょっと驚いた顔をしつつ、「950ソレスよ」と答えてくれたお姉ちゃん。こんな失礼な質問に、笑いながら答えてくれるペルー人の懐の深さに感謝。
もう一人、同じように携帯で録画していた男性従業員に尋ねると、「ボクは930ソレスです」ふむふむ、君は最低賃金ぴったりなんだね。「でも7年も務めてるんですよ!なのに、先月入った新人と同じなんておかしいでしょう?どんなに長く働いても、その経験は一切評価されない。ボクたちの働きを認めていないんだ!」うーむ、そりゃ気の毒だ。
ちなみにペルーの最低賃金は2010年で550ソレス、そこから徐々に上がって、2018年4月1日(小企業は5月1日)から930ソレスになった。大企業として最低賃金だけは守るが、労働成果に対する評価はしないというのがCencosudのやり方らしい。頑張っても頑張らなくても給料が同じなら、頑張る人なんていないよね。だからこの国はサービスの質が向上しないのよ。
なんて思っていたら、デモ隊の女性が「母の日おめでとう!」と言いながらWongのお客さんにハートの風船をプレゼントしていた。デモ中なのに顧客サービスも忘れないなんて、なんて偉いんだ!でもこの行為もなんら評価されないんだろうな・・・なんだかやるせない気持ちになる。とりあえず明日もWongで買い物するとしよう。