こんなとこにもベネズエラ人

明日はDía del Trabajo(労働者の日)、祝日だ。一時は「4月30日(月)が不労日になって4連休になる?」なんて憶測もあったが、ビスカラ新大統領はそこまで国民に媚びていないらしい。いいことだ。

労働者といえば、相変わらず増え続けるベネズエラ人。路上のボンバ売りだけでなく、今ではスーパーやショップ、レストランで必ず1人は見かけるようになった。親切で物腰がスマートで、てきぱきと仕事をこなす彼ら。正直「もうペルー人はいらんな」なんて思うことも少なくない。

先日利用したアプリタクシーの運転手も、ベネズエラ人だった。レンタルだという古いセダンで現れた彼。アプリの指示に従って走り出したが、そのルートだとずいぶん遠回りに思えた。同乗した友達が「一番近いルートを言うから、そのアプリは無視して」というと、「はい、わかりました」と素直に従う。「いいわね~、道を知らないくせにに『でもアプリの指示はこうですから!』って、客のアドバイスを聞かない人っているもん」とは彼女の談。確かに物凄い遠回りをされて、イライラすることはある。値段は変わらないけれど、「タクシー運転手なら、このルートくらい知っとけよ」と思うこともしばしばだ。

友人宅に到着。彼女が下りた後、私もそのまま自宅までお願いした。ところが「この道でいいですか?」と聞いただけで、うちの住所も聞かずに走り出すではないか。ちょっと待ってよ、うちまでいくらで走る気なの?

「お近くなんですよね?ここまでの金額に1~2ソレス足してもらえれば・・・」おいおい、いくら何でもそれは安すぎ!

最初は「ぼったくられたら困る」と思って焦ったが、違う意味で慌てた。確かに友人宅から我が家までそう遠くはないけれど、さすがに1~2ソレスはあり得ない。大切なのはprecio justo(公正な値段)。経済危機から逃れてきた人に、そんな金額は払えません。

「この時間にこの距離を利用したら●ソレスくらいだと思うんだけど、それでいい?アプリで調べてもいいよ」と言ったら、「え?いいんですか?じゃあ、それでお願いします」と喜んでいた。大丈夫かいな、まったく。

本国では技術者として働いていたという彼。ペルーに来たのは2か月前、道はまだよく分からないけれど、アプリがあるから大丈夫。ペルーはいい国だけど、運転マナーはちょっとlocoだと言っていた。

アプリを使うことなく、口頭説明のみで我が家へ無事到着。「ありがとうございました~」とにこやかに去って行ったが、なんかもう、オバチャンは心配で仕方がないよ。あの車のレンタル料も吹っ掛けられていそうだしなぁ。でも運転は丁寧だったし人柄も良かったから、個人客が付くかもしれない。

最近のリマの求人を見ると「Venezolano o peruano(ベネズエラ人かペルー人)」という表記がちらほら。ベネズエラ人が先ってどういうこと?ペルー人ですら「ペルー人はいらんな」って思っているのかしら。

明日はDía del Trabajo(労働者の日)。祝日なので、この日に就労したら通常の3倍の日当が払われるはずだ。インフォーマルは仕方がないけれど、ちゃんと働いているベネズエラ人には、正しく支払われますように。

※写真と本文が一致しないって?いやいや、彼もベネズエラ人です。今人気のある店で大活躍中~。