ペルー生産省所管の全国漁業衛生機構(SANIPES)は27日、中国産の魚肉缶詰すべての輸入を禁止すると決めた。
当措置は、中国企業2社が製造した魚肉缶詰からの相次ぐ寄生虫(アニサキス)の発見に端を発するもの。SANIPESは、缶詰の製造企業のみならず、輸出入商品の品質を保証する中国国家質量監督検験検疫総局(AQSIQ)にも問題があると判断。同局から管理上の対策に関する説明を受けるまで(輸入を)認めないと取決め、外交ルートを通じた伝達を外務省宛に文書で依頼した。
ペルー国内で消費される魚肉缶詰の70%(年間売上約8000万㌦)は輸入品で、主な輸入先はベトナム、タイ、中国など(全国工業協会調べ)。国内ではおよそ70社が残りのパイ(年1000万㌦~1500万㌦)を分け合っていることから、リマ商工会議所(CCL)では、今回の措置による国内市場競争力の低下と、それに伴う缶詰価格上昇の可能性が危惧されている。
ペルー貿易協会(COMEX)もまた、今回の輸入禁止は暫定的な処置に過ぎず、問題は衛生検査の強化にあるとCCL同様消費者寄りの見解を示した。
当問題に関心を寄せ輸入制限を強く訴えていた全国工業協会(SNI)の漁業・水産委員会ミランダ会長は、衛生上の一貫性欠如が今回の禁輸措置につながっていると述べ、国産魚肉缶詰の厳格な生産管理体制を再評価した。
また、CCLもCOMEXも禁輸には同意していないものの、明らかに衛生面の問題であり、中国との自由貿易協定上の問題に発展することはないと考えている。
SANIPESのブスタマンテ代表は、ペルー外務省関係者が出席した局内の会議(先週)で、在秘中国大使館の代表者が「中国製品のイメージが世界的に損なわれたので、缶詰についてこれ以上公けにするのは控えたい」と言われたが、「それはできない」と答えたとしている。
(ソース: El Comercio 28/11/17)