平成29年度外務大臣表彰の表彰式がリマの大使公邸で行われた。外務大臣表彰は、日本と諸外国との友好親善関係の増進に多大な貢献をしている個人や団体の中で、特に顕著な功績のあった人(および団体)に贈られるもの。今年は国内外の187個人、45団体が受賞。ペルーからは6個人が表彰された。
麗らかな春の陽気に恵まれた10月13日午後1時。リマの大使公邸には受賞者とその関係者およそ100人が集まった。この日表彰されたのは現職の国会議員であり、前ペルー・日本友好議連会長を務めたAurelia Tan de Inafuko氏、ペルー日系人協会顧問のAbel Fukumoto Sato氏、そしてリマの日本食レストラン「フジ」のオーナーシェフ、深澤宗昭氏の3人(その他の受賞者は別日程で表彰)。株丹達也在ペルー日本国大使による祝辞、表彰式と記念品贈呈、受賞者の挨拶、写真撮影などが穏やかな雰囲気の中で粛々と行われる。それぞれの挨拶に必ずマルイさんが一言ちゃちゃを入れるところが、リマらしい光景だ。
1974年4月1日のレストラン開業以来、日本伝統の味を伝え続けてきた深澤氏。1996年のペルー大使公邸人質事件では、故小西紀郎氏とともに人質へ差し入れする弁当作りを担当。人質たちの体調を何よりも気遣い、味や見た目はもとより、栄養バランスや衛生面でも細心の注意を払ったという。「多文化を織り交ぜた新しいスタイルの食が流行る昨今ではありますが、新しいものを生み出すにはまず伝統を知ることが大切です。私は和食という日本の伝統文化をペルーに伝えることで、この国に貢献していきたいと思っております」とスピーチした深澤氏に、出席者から惜しみない拍手が送られた。
写真撮影の後は公邸のテラスで昼食会。大人数なのでビュッフェだろうと思っていたら、なんと着席の上にフルコース!外務大臣表彰には公邸料理人に対する表彰もあるが、在ペルー公邸料理人である野口修平氏も今回の優秀公邸料理長に選ばれている。そんな料理人のお料理をいただけるとは、なんと贅沢なひと時か。同席したペルー人にソースに使われた芝漬けの説明をしながら、日本酒を一杯。日秘の友好関係は今後ますます深まっていくことだろう。
★平成29年(2017年)度外務大臣表彰 受賞者@ペルー★
マリア・テレサ・ミツマス・アベイ・デ・シミズ(ペルー日系婦人会相談役)
アウレリア・タン・デ・イナフコ(前ペルー・日本友好議連会長)
アベル・フリオ・フクモト・サトウ(ペルー日系人協会顧問)
ルイス・G.ベガ・モンテフェリ(日本ペルー経済委員会ペルー側委員長)
津村 光之(ミッキーツアー株式会社社長)
深澤 宗昭(「レストランFuji」オーナー兼シェフ )
平成29年度外務大臣表彰者(個人)リスト順・敬称略