2017年10月22日(日)に国勢調査が行われた。正式にはCensos Nacionales 2017:XII de Población, VII de Vivienda y III de Comunidades Indígenasというらしい。10年に1度と仮定して、約120年も前から繰り返し行われてきたペルーの国勢調査。前回はざっくりとしか理解していなかったが、今回はもう少し詳しく記録しておこうと思う。
調査期間は都市部の場合22日の8:00~17:00、アンデスやアマゾンなど一部エリアは15日間(ペルーは広い!)。22日の上記時間内は外出禁止、終了後に「外出してもいい」と言った調査員もいたそうだが、公式には禁止。スーパーや一般商店は強制休業、ホテルや病院、空港等は通常営業。ただし22日に仕事をしなければならない人は事前に国勢調査を受け、終了証明を携帯することが義務付けられている。
ペルー人や外国人在住者だけでなく、旅行者も調査対象になることは以前にご紹介した。空港は国際線・国内線ともに通常通り。国内中長距離バスは、その多くがサービスを停止したもよう。ちなみにCruz del Surに「22日のチケットがあるんだけど、どうしたらいいの?」とfacebookで問い合わせたところ、「当社にお電話を」と返事。コールセンターに電話したら「チケットの日程を変更するので、名前とDNI番号を…」と。「私じゃないの、あんたのサイトから購入した外国人の友達なのよ」「ではご本人からご連絡を」「だから外国人だってば」「日程の変更は可能なので」「そもそも、なんで22日のバスを売ったのよ?」「ですよね~、でも日程は変更できますので」というやりとり。19日になってやっと「10月16日~20日の間にバスのチケットとDNIをもって最寄りのオフィスで国勢調査を受けてください」というお知らせがサイトに掲載されたが、事前に国勢調査を受けたら絶対バスに乗れるのかについては一切触れず。素晴らしい対応だ。
今日は朝から「調査員のユニフォームが足りない」「書類や終了を示すステッカーが足りない」「そもそも調査員が足りない」などペルーらしい話題満載。調査員は61万人必要なところ、58万人しか集まらなかったらしい。彼らの謝礼は交通費込みで50ソレス。10年前は10ソレスだったから、たった10年で人件費5倍!にもかかわらずボランティアが足りないとは・・・。そんなペルーの救世主はベネズエラ人たちだ。22日は路上販売も禁止、日銭で糊口をしのいでいる彼らにとってこれはつらい。そんな彼らが思いついたのが、自らが調査員となって働くこと!彼らの逞しさに拍手喝采だが、国のあらゆる根幹を担う国勢調査をひょひょいとやっていた外国人に任せちゃうペルーの懐の深さに惚れなおす。
調査を受ける一般市民はどうかというと、残念ながらみなが素直に協力するわけではない。自宅待機を無視して外出する人や、「No al Censo(国勢調査には答えない)」と息巻く人もいた。書類記入が鉛筆であることから、後で消されて自分の都合の悪いように書き換えられると心配する人、どう見ても上水や電力供給のなさそうな家なのに、自宅にテレビや水道があることを知られたくない(=盗電・盗水がばれる)人など、いろんな思惑が絡んでいるらしい。あぁ、なんて面白いんだー!
昼過ぎに窓の外を眺めていたら、調査員を数人乗せた車が自宅前を通り過ぎた。公共交通機関が全面ストップなのだから、誰かが車で現地まで送り届けなきゃいけないのは当然だ。たまたま我が家を担当した調査員は近所の主婦で、自宅から歩いて来れたらしいからよかったけどね。とても奇特な人で「一度くらい経験してみようかなって思って応募したけれど、もう次はやらないわ」と。我が家は事前に印刷した調査票に記入しておいたので、彼女はこちらの内容を写すだけ。「このアパートで最後なの」という彼女は勧めたお水も飲まず、さっさと隣人宅へ移動していった。
CMでOechsleは5時半、Saga Falabellaは6時、メトロポリターノバスは6時からサービス開始と言っていた。従業員は出勤できるのだろうか?そうこう言っているうちにもう夕方5時、2017年のCensoは無事?終了。