クスコからの帰りにまたタクシーを利用した。今度は宿のセニョーラにお願いして呼んでもらったタクシーだ。前回の話でいうと、信用のおける個人タクシーに当たる。後ろのトランクに荷物を入れたいと言うと、ささっと下りてきて収納してくれた。そうそう、これがペルーのタクシスタだよ。
ところが。車に乗り込んだとたん、「今日は教師たちのストライキなんですよ。空港周辺は交通規制されているので、どこまで行けるか分かりません」と。がーん!もう随分前から騒いでいたが、まだ続いていたか。確かにペルーの公立学校の先生の給料は安すぎるが、旅行者や外国人を巻き込むのは教師としてのモラルに反しないのか?「でも空港を抑えないと、政府が対話に出てこないので・・・」だからそういう問題じゃないでしょうに。
今回のドライバーはとてもいい人で、少しでも空いている道をと随分遠回りしてくれた。幸い道路封鎖はなかったものの、空港敷地内への車両進入は禁止されている。親切な彼は「荷物もあるし、できるだけ門に近いところで下ろしますからね」と、Uターンできる場所を求めて空港からどんどん遠のいて行った。あ、ありがたいけど、もう飛行機の時間が…
案の定搭乗前45分を切ってしまい、最後はもうてんやわんや。なんとかフライトには間に合ったが、こんなギリギリに搭乗したのは生まれて初めてだ。車内でも色々と話をしたから妙な友達感が生まれてしまい、つい彼の好意に甘えてしまったが、無理をしてでも途中で下してもらうべきだった。それでも空港の門の前でトランクから荷物を取り出しつつ、「気を付けてお帰り下さいね~」と言ってくれたあのドライバーの笑顔は忘れられない。やっぱりペルーのタクシスタはこうでなくちゃと、しみじみ思う。