日本を観光で訪れる外国人と、在外邦人が利用できるJRジャパンレールパス。3月時点で「在留期間が10年以上の者を対象」という仮発表はあったが、先日やっと在外邦人向けの新しい利用資格が発表された。
これまでの利用資格は『a, その国に永住権をもっている場合』と、『b, 日本国外に居住する外国人と結婚している場合』。それに対しJRは当初、「永住権の確認が国によって違うため不公平」と言っていた。日本人って「公平」とか「平等」って言葉が本当に好きだね。この世にそんなモノがあるわけないじゃないか。
さて、平成29年6月1日から適用される新しい利用資格はずばり『日本国の旅券及び「在留期間が連続して10 年以上であることを確認できる書類で、在外公館で取得したもの等」を有する方 』。なんと、外国人配偶者云々がすっかり削除されてしまった!また『10歳に満たない子供云々』の規定も曖昧だ。子供が二重国籍の場合、日本入国に際しては日本のパスポートを使用することが多いと思うが、もし日本人親の在留期間が10年未満だったら、その子は外国籍があるにもかかわらずパスが使えないのだろうか?
平等不平等の問題ではなく、JRは単にパスの利用者を減らしたいのだろう。確かにのぞみ以外の新幹線は外国人だらけ。これからオリンピックに向けて更に外国人利用者が増えるだろうから、JRとしては商売あがったりだ。でもパス自体を廃止すると世界中から非難されるから、とりあえず日本人だけでも削ってしまえ、と。だとしたら焼け石に水なだけじゃない?ってか、せこいよ。
「我々は民間企業だ。だから我々のサービス規定をどう変更しようと自由だ」と言われれば、はいそれまで。でもなぁJRさんよ、とても日の丸を背負う鉄道会社とは思えない冷たい仕打ちじゃないか。なんで日本って国は在外邦人をこうもいじめるかね。「税金を納めない非国民め」とでも思っているのかい?だったら無知も大概にしろ。開国して僅か160年ほどの未成熟な国だから仕方がないのか。もういっそのことまた鎖国でもすればいいのに。
残念すぎる内容だが、決まったものは仕方がない。JR以外の手段を使うなり旅行自体を取りやめるなり、それぞれが対処法を考えるまでだ。在留期間を証明する「在留届の写し」や「在留証明」に関しては、各国領事館(部)へ直接お問い合わせを。在ペルー日本国大使館・領事部の場合、在留届の写しは無料、在留証明は有料とのこと。在留届の受付日については、本人確認ができた場合のみ情報開示(個人情報なので当然)。領事部も余計な仕事が増えて気の毒な事だ。
それにしても、一民間企業の都合に在外公館が振り回されるのはおかしくないか?誰もそこは突っ込まないのかね。それこそ「不公平」ってもんじゃじゃないのかね。