El Perú se desborda/ペルー氾濫

今、ペルーは非常事態だ。今年に入ってアンデス地方の降雨量が急増。各地で崖崩れや地すべりを起こし、土石流となって下流域を幾度も襲っている。ピウラを中心とするペルー北海岸部も豪雨が続き、こちらにも甚大な被害が出ている。

もちろんリマも他人事ではない。リマック川やワイコロロ川が溢れ、周辺の町は大洪水。濁流が堤防や道路をえぐり取り、橋を飲み込むさまはまさに津波だ。そんな中で、建物の瓦礫とともに600mも流されながら九死に一生を得たエバンヘリナさんの姿(トップ画像)には感動してしまった。また、土石流から救出した子豚に「Huayquito(土石流ちゃん)」と名前をつけちゃうセンスにも脱帽。大災害進行中だというのに、ププッと笑える話題が必ずあるのはなぜだろう。

15日10時から始まったリマとカリャオ27区への給水制限は、現在も継続中。昨日3時間ほど給水されたが、貯水タンクがすっかり空になった家も多く、まさに焼け石に水。リマでは水の買い占めが起こり、空っぽになったスーパーの棚の映像があちこちに流れた。バランカでは略奪も発生。SNSのデマ情報も多く、その辺もまたペルーらしい。

そんな中、我が家は比較的穏やかに過ごさせてもらっている。何といっても、うちにはまだ水があるのだ。屋上の貯水タンクは住人が節水すれば48時間は持つし、なんと地下貯水槽があることも分かった。実は今朝11時前に水が止まり「ついに来たか」と緊張したが、そのすぐあとに配管がゴボゴボといいだした。おや、もしや?と思っていたら、「(地下貯水槽から屋上のタンクまで)水を上げるのはたった2時間だよ」とアパート内whatsappが。おー!素晴らしい~!

Sedapal(リマ上下水道公社)は今日18時から給水開始と言っていたが、現時点で再開のニュースはまだない。少なくともあと1日は厳しい状態が続くだろう。ペルーのインフラの脆弱さにはもううんざりだが、とにもかくにも今はただリマック川が落ち着くのを待つしかない。